3. CTにて診断し得た胆石イレウスの1例

症例は81歳男性. 虫垂切除の既往がある. 両葉に多発した肝細胞癌及び胆石症にて平成4年10月より外来通院中であった. 平成5年8月24日, 腹痛, 嘔吐, 排便と排ガスの停止が出現し, イレウスの診断にて8月25日当科入院となった. CTにて右下腹部の小腸内腔に大きさ2cmの腫瘤陰影を認めた. この陰影は1年前のCTで胆のう内にみられた結石像と同一のものであり, 今回, 胆のう内に陰影を認めないため胆石イレウスと診断し, 8月27日開腹した. 回盲弁より50cm口側の回腸の内腔に直径2cmの結石を認めた. 胆石イレウスは一般に術前診断が困難とされているが, 本例では胆石イレウスにおけるCT検...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in医療 Vol. 48; no. 8; p. 661
Main Authors 多田敬一郎, 小島靖, 長谷川重夫, 飯塚一郎, 野村幸博, 出口順夫
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 国立医療学会 1994
Online AccessGet full text

Cover

Loading…
More Information
Summary:症例は81歳男性. 虫垂切除の既往がある. 両葉に多発した肝細胞癌及び胆石症にて平成4年10月より外来通院中であった. 平成5年8月24日, 腹痛, 嘔吐, 排便と排ガスの停止が出現し, イレウスの診断にて8月25日当科入院となった. CTにて右下腹部の小腸内腔に大きさ2cmの腫瘤陰影を認めた. この陰影は1年前のCTで胆のう内にみられた結石像と同一のものであり, 今回, 胆のう内に陰影を認めないため胆石イレウスと診断し, 8月27日開腹した. 回盲弁より50cm口側の回腸の内腔に直径2cmの結石を認めた. 胆石イレウスは一般に術前診断が困難とされているが, 本例では胆石イレウスにおけるCT検査の意義を認めたので報告する.
ISSN:0021-1699