Positron Emission Tomography(PET)による局所肺機能からみた特発性間質性肺炎と過敏性肺臓炎の相違について

特発性間質性肺炎(IIP)および過敏性肺臓炎(HP)は共に間質性肺疾患でありX線CT, 肺機能検査では鑑別ができない. 我々は局所の肺機能を調べることにより両疾患の病変の相違について検討した. 対象はIIP6例, HP4例である. PETおよびN-13ガスを用いて局所の肺胞気量, 分時換気量を調べた. 両疾患とも, 肺胞気量は背面で低下していた. V/VAはIIPで腹面1.78±0.68/分, 背面で2.10±0.38/分と背面で高値であるのに対して, HPでは腹面0.85±0.31/分, 背面で0.83±0.57/分と背面で低値であり, HPでの背面の病変は, 肺胞気量の低下とともにV/VA...

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Published in医療 Vol. 45; no. 12; pp. 1132 - 1137
Main Authors 鈴木恒雄, 飯尾正明, 小沢由里, 豊田恵美子, 大谷直史
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 国立医療学会 1991
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ISSN0021-1699

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Summary:特発性間質性肺炎(IIP)および過敏性肺臓炎(HP)は共に間質性肺疾患でありX線CT, 肺機能検査では鑑別ができない. 我々は局所の肺機能を調べることにより両疾患の病変の相違について検討した. 対象はIIP6例, HP4例である. PETおよびN-13ガスを用いて局所の肺胞気量, 分時換気量を調べた. 両疾患とも, 肺胞気量は背面で低下していた. V/VAはIIPで腹面1.78±0.68/分, 背面で2.10±0.38/分と背面で高値であるのに対して, HPでは腹面0.85±0.31/分, 背面で0.83±0.57/分と背面で低値であり, HPでの背面の病変は, 肺胞気量の低下とともにV/VAも低下しており拘束性障害の他に閉塞性障害を伴っていた. これはHPによる肉芽腫性病変によるものと思われた.
ISSN:0021-1699