国立病院の財産

年からすると最も年寄りの筈だが, ここに登場するのは全くの新参者であるから, 顔見世的に何か書けということらしい. 現在の国病にはいくつかの問題がある. 診療圏のニードにどう対応するのか, 内科医師を縦割り的, 専門別にするとき現有の人員構成でもつて, 内科全体の患者をどういう風にcoverし得るかということもそれである. 昭和24年以来30年以上も, 医師1人当りの診療患者数は変つていない. さらに「二臨調」の答申をみても人員の増加は極めて困難であろう. この間にあつて医師の仕事量の増加, 専門化と, その地区における国病の役割をどう果すかという悩みが消えない. 国病に来ると, 何でも屋的仕...

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Published in医療 Vol. 37; no. 9; p. 930
Main Author 山崎昭
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 医療同好会 1983
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Summary:年からすると最も年寄りの筈だが, ここに登場するのは全くの新参者であるから, 顔見世的に何か書けということらしい. 現在の国病にはいくつかの問題がある. 診療圏のニードにどう対応するのか, 内科医師を縦割り的, 専門別にするとき現有の人員構成でもつて, 内科全体の患者をどういう風にcoverし得るかということもそれである. 昭和24年以来30年以上も, 医師1人当りの診療患者数は変つていない. さらに「二臨調」の答申をみても人員の増加は極めて困難であろう. この間にあつて医師の仕事量の増加, 専門化と, その地区における国病の役割をどう果すかという悩みが消えない. 国病に来ると, 何でも屋的仕事に追われて, 自分の分野の勉強が出来にくいとすれば, 将来益々人材難にもなりかねない. 「二臨調」に対してこういう問題を誰が, どういう形で意見を具申したのであろうか. また別のことだが, 国病が良心的な診療をすると, 現在の健保の点数が適正かということ, 現在も国の行つている薬品の再評価の仕事に国の機関として参加すべきと考えるが, その方法論などと問題は多い.
ISSN:0021-1699