核空洞形成阻止と脱アレルギー

結核性空洞が侵入した結核菌と宿主に形成された抗体との間のアレルギー反応の結果形成されることは, すでに山村および本院の研究陣によつて実験的に明らかにされている.1)~5)さてツベルクリンを頻回に結核感作動物に注射するとツベルクリン反応が抑制され, いわゆる脱感作が成立することはKoch以来のべられてきたところである. そして山口らはこの方法を利用して, 家兎にツベルクリンの頻回注射を行なつて, 空洞形成が実験的に阻止されることをみとめた. 今回はこの空洞形成を結核アレルギー反応をあらわす1つのパラメーターとして, いかなる菌体成分が脱感作にあずかるかを化学的に解析し, 同時に空洞形成阻止とツベ...

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Published in医療 Vol. 23; no. 4; pp. 563 - 571
Main Authors 山村好弘, 小川弥栄, 仁士賢一, 山縣英彦, 遠藤一男
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 医療同好会 1969
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Summary:結核性空洞が侵入した結核菌と宿主に形成された抗体との間のアレルギー反応の結果形成されることは, すでに山村および本院の研究陣によつて実験的に明らかにされている.1)~5)さてツベルクリンを頻回に結核感作動物に注射するとツベルクリン反応が抑制され, いわゆる脱感作が成立することはKoch以来のべられてきたところである. そして山口らはこの方法を利用して, 家兎にツベルクリンの頻回注射を行なつて, 空洞形成が実験的に阻止されることをみとめた. 今回はこの空洞形成を結核アレルギー反応をあらわす1つのパラメーターとして, いかなる菌体成分が脱感作にあずかるかを化学的に解析し, 同時に空洞形成阻止とツベルクリン反応, 血中抗体との関係についても考察をくわえたのでここに報告する. 各種菌体成分による脱感作(筋注法) 1)空洞形成にあたえる効果 動物としては体重2-3kgの家兎を用い, 8~20羽をもつて1群とした.
ISSN:0021-1699