萎縮筋の組織化学的研究(第1報)

Myopathyに対しては, 古くから筋の生検が行なわれ, 今までにも, かなり詳細な形態学的研究が報告されているが, 最近, 筋肉代謝の生化学的研究の発達に伴い, その酵素活性および局在性について組織化学的研究が進められるようになった. われわれも進行性筋ジストロフィー症(以下「DMP」と略す)および類似疾患について機能障害におちいった筋の組織化学的検索を行なってきたので, 今までに得られた結果について報告する. 研究方法 1. 筋生検対象 DMP, 11例を含む18症例(表1)について前脛骨筋の検索を行なった. 生検に際しては, 0.5%フロカインをもって皮膚および皮下組織まで局所麻酔を行...

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Published in医療 Vol. 21; no. 7; pp. 786 - 793
Main Authors 大竹喜玄, 近藤文雄, 桜井実
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 医療同好会 1967
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Summary:Myopathyに対しては, 古くから筋の生検が行なわれ, 今までにも, かなり詳細な形態学的研究が報告されているが, 最近, 筋肉代謝の生化学的研究の発達に伴い, その酵素活性および局在性について組織化学的研究が進められるようになった. われわれも進行性筋ジストロフィー症(以下「DMP」と略す)および類似疾患について機能障害におちいった筋の組織化学的検索を行なってきたので, 今までに得られた結果について報告する. 研究方法 1. 筋生検対象 DMP, 11例を含む18症例(表1)について前脛骨筋の検索を行なった. 生検に際しては, 0.5%フロカインをもって皮膚および皮下組織まで局所麻酔を行なった後, 前脛骨筋の筋腹部で皮膚切開を行なった. 筋膜露出後は麻酔薬を使用せずに, 筋膜を切開して, 長さ約1cm, 太さ約0.5cmの筋を採取した. 採取した組織片はただちに-20℃で凍結し, Cryostatを用いて縦断および横断の切片を作り, カバーグラスに貼りつけた後, いったん室温で乾燥して染色した.
ISSN:0021-1699