No.25 マッサージ様触圧刺激が高血圧自然発症ラットの心循環系に及ぼす効果

• Published in: 日本温泉気候物理医学会雑誌 Vol. 74; no. 1; p. 42
• Main Authors: 大沢秀雄, 野口栄太郎, 森英俊, 志村まゆら
• Format: Journal Article
• Language: Japanese
• Published: 日本温泉気候物理医学会 2010
• ISSN: 0029-0343

[目的]第72回本学会で, 麻酔下の自然発症高血圧ラット(SHR)及びその対象群で正常血圧のウィスター京都ラット(WKY)を対象に鍼通電刺激による血圧反応を比較したところ, WKYでは軽度, SHRでは顕著な降圧が起る事を報告した. 本年はこれらの成績を基にマッサージ様触圧刺激に対する血圧反応を検討した. [方法]実験はウレタン麻酔, 人工呼吸下のSHR及びWKY(雄)を用いた. 血圧は総頚動脈から導出した. 歯ブラシの底面積を1cm2になるように加工し, ブラシ上部に鉛製の錘を添付し, 重量の異なる5種類のブラシ刺激を掃引してマッサージ様刺激の強度を変えた. 刺激は腹部正中部に1分間加えた. [結果と考察]腹部への触圧刺激による降圧反応はWKYでは軽度, SHRでは顕著であった. SHRの降圧反応は100g, 150gのブラシ刺激で刺激中有意に低下した. 30g, 10gの刺激では殆ど反応が無かった. 刺激部位への局麻剤の皮下投与によって, ブラシ刺激による降圧反応は影響されなかった事より, 腹部の筋や内臓刺激によって降圧反応が生じたと考えられる. [まとめ]腹部への触圧刺激による降圧反応はWKYよりもSHRで顕著に出現し, その反応は強度依存性に出現することが明らかとなった.