15. 異なる泉質の足浴による生体への影響
[目的] 体の異なる部位を異なる泉質での部分浴する場合, 生体への反応に違いが見られたことを報告してきたが, 循環器系, 自律神経系への観察が主体だった. 今回は, 呼気ガス代謝と血液・尿の生化学的変化に注目し, 泉質と浴温の違いによる生体への影響を観察した. [対象と方法] 健康成人男性14名(32.6±10.7歳), 文書による同意を取得した後, 異なる泉質(淡水と炭酸泉)と浴温(38℃と42℃)及び対照群の計5回実験を行い, 浴前5分, 足浴30分と浴後10分の計45分間呼気ガス代謝を測定した. 血液・尿は入浴前, 入浴終了直後, 90分後の計3回採集した. 炭酸泉はモジュール混合様式の...
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Published in | 日本温泉気候物理医学会雑誌 Vol. 71; no. 1; pp. 44 - 45 |
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Main Authors | , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本温泉気候物理医学会
2007
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Summary: | [目的] 体の異なる部位を異なる泉質での部分浴する場合, 生体への反応に違いが見られたことを報告してきたが, 循環器系, 自律神経系への観察が主体だった. 今回は, 呼気ガス代謝と血液・尿の生化学的変化に注目し, 泉質と浴温の違いによる生体への影響を観察した. [対象と方法] 健康成人男性14名(32.6±10.7歳), 文書による同意を取得した後, 異なる泉質(淡水と炭酸泉)と浴温(38℃と42℃)及び対照群の計5回実験を行い, 浴前5分, 足浴30分と浴後10分の計45分間呼気ガス代謝を測定した. 血液・尿は入浴前, 入浴終了直後, 90分後の計3回採集した. 炭酸泉はモジュール混合様式の人工炭酸発生装置を用い, 1000±100ppmに濃度調整し, 湯温は設定温度±0.3℃に調整した. [結果と考察] 呼吸商は, 38℃で淡水の方が炭酸泉より大きく, 42℃で炭酸泉の方が淡水より大きかった. 血中コルチゾールは炭酸泉で低下し, 淡水で増加する傾向が示された. 一方, TNF-αは42℃の炭酸泉, 淡水と38℃の炭酸泉で増加傾向が見られた. [結論] 浴温42℃では, 温熱による生体への影響が目立つが, 38度では, 炭酸泉の方が生体への影響を保ちながら, 比較的に少ない温熱負荷で作用する可能性が示唆された. これらの特徴はモジュール混合様式人工炭酸発生装置の有用性を支持するものであった. |
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ISSN: | 0029-0343 |