14. 腫瘍肺転移モデルにおける肺感染に対するG-CSFの感染防御効果

G-CSFは化学療法後の顆粒球減少の程度と期間を著明に短縮する. 今回, MethA腫瘍肺転移マウスで, UFTや5-FU投与後の肺感染に対するG-CSFの防御効果を検討した. 腫瘍接種後1週目と2週目にUFTや5-FUを投与し, 3週目に緑膿菌を気道内感染させた. 感染前1週間G-CSFを連日皮下注し生存率と肺内生菌数を検討した. G-CSFは5-FU併用時よりもUFT併用時に有意な肺感染予防効果が認められた. 末梢血好中球数や肺内食細胞数の検討でも同様の結果であった. G-CSFは, UFT等骨髄抑制の著明でない抗癌剤との併用時には, 肺感染巣へ食細胞を集合させ緑膿菌に対する感染防御に有効...

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Published in日本細菌学雑誌 Vol. 48; no. 5; p. 701
Main Authors 脇山博之, 鶴純明, 四ノ宮成祥, 桂善也, 四ノ宮美保, 萱嶋信介, 上部泰秀, 秦典子, 六反田亮
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本細菌学会 1993
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Summary:G-CSFは化学療法後の顆粒球減少の程度と期間を著明に短縮する. 今回, MethA腫瘍肺転移マウスで, UFTや5-FU投与後の肺感染に対するG-CSFの防御効果を検討した. 腫瘍接種後1週目と2週目にUFTや5-FUを投与し, 3週目に緑膿菌を気道内感染させた. 感染前1週間G-CSFを連日皮下注し生存率と肺内生菌数を検討した. G-CSFは5-FU併用時よりもUFT併用時に有意な肺感染予防効果が認められた. 末梢血好中球数や肺内食細胞数の検討でも同様の結果であった. G-CSFは, UFT等骨髄抑制の著明でない抗癌剤との併用時には, 肺感染巣へ食細胞を集合させ緑膿菌に対する感染防御に有効に働くと考えられた.
ISSN:0021-4930