無作為比較研究 (RCT) の場合

[要旨] 無作為比較研究 (RCT) は, エビデンスに基づく医療に対する最も信頼性の高い情報を提供する. しかしながら, さまざまな "誤魔化し (ごまかし)" が行われていることがあるため, それらに騙されないようにすべきである. ほとんどの誤魔化しは稚拙なため, いくつかのポイントを知っていると容易に見抜くことが可能である. 誤魔化しの代表例として, 「仮説が明確に設定されていない」, 「研究目的が不明瞭である」, 「目的に合った項目を調査していない」, 「結論が主要評価項目から導き出されていない」, 「臨床的に意味のない有意差を重要視している」などがある. 今回,...

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Published in日本臨床麻酔学会誌 Vol. 36; no. 7; pp. 671 - 675
Main Author 浅井隆
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床麻酔学会 15.11.2016
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Summary:[要旨] 無作為比較研究 (RCT) は, エビデンスに基づく医療に対する最も信頼性の高い情報を提供する. しかしながら, さまざまな "誤魔化し (ごまかし)" が行われていることがあるため, それらに騙されないようにすべきである. ほとんどの誤魔化しは稚拙なため, いくつかのポイントを知っていると容易に見抜くことが可能である. 誤魔化しの代表例として, 「仮説が明確に設定されていない」, 「研究目的が不明瞭である」, 「目的に合った項目を調査していない」, 「結論が主要評価項目から導き出されていない」, 「臨床的に意味のない有意差を重要視している」などがある. 今回, 無作為比較研究を読み解く上でのポイントのいくつかを紹介する. 「はじめに」現在, エビデンスに基づく医療をする必要がある. そのため, 論文を読んで, "この研究は適切に行われているので信用してよい", "これは曖昧な方法で施行された研究のため, エビデンスとして採用しない方がよい", などの判断ができる能力を身につけておく必要がある.
ISSN:0285-4945