5.Churg-Strauss症候群(CSS)に対するリハビリテーションの1経験例

症例は63歳, 男性. 52歳時に気管支喘息と診断. 63歳時, 発熱および気管支喘息の増悪にて他院に入院. 入院20日後より, 右橈骨神経麻痺, 感覚障害, 両下肢筋力低下も出現した. 喘息, 好酸球増多, 血管炎症状より, CSSと診断された. ステロイド療法開始後, 加療継続目的で転院となった. 入院20日後より, 発熱および検査所見が改善し, リハビリテーション(理学療法, 作業療法)開始となった. 理学療法では下肢筋力トレーニング, 早期より装具を使用した歩行および床上動作訓練を行い, 作業療法では右手への装具を使用した両手動作の訓練と日常生活動作(ADL)練習を行った. 治療により...

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Published inリハビリテーション医学 Vol. 42; no. 11; p. 790
Main Authors 青池太志, 須貝文宣, 橋田剛一, 井上 悟, 阿部和夫
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本リハビリテーション医学会 2005
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Summary:症例は63歳, 男性. 52歳時に気管支喘息と診断. 63歳時, 発熱および気管支喘息の増悪にて他院に入院. 入院20日後より, 右橈骨神経麻痺, 感覚障害, 両下肢筋力低下も出現した. 喘息, 好酸球増多, 血管炎症状より, CSSと診断された. ステロイド療法開始後, 加療継続目的で転院となった. 入院20日後より, 発熱および検査所見が改善し, リハビリテーション(理学療法, 作業療法)開始となった. 理学療法では下肢筋力トレーニング, 早期より装具を使用した歩行および床上動作訓練を行い, 作業療法では右手への装具を使用した両手動作の訓練と日常生活動作(ADL)練習を行った. 治療により股, 膝関節周囲の筋力が改善し, 装具を使用してはいるが実用的な歩行能力を獲得した. ADL能力も改善し, 軽介助もしくは介助なしでの自宅生活が可能と判断し, 退院となった. 血管炎の治療は長期に及ぶため, 臨床症状の改善に応じて, 装具の作成時期を検討し, 早期よりリハを進める必要性がある.
ISSN:0034-351X