全人工膝関節置換術におけるクリティカルパスが入院日数に与える影響の検討

「目的」critical pathは治療の効率化という点で最近注目されているが, 実際にcritical pathを使用してどのような効果があったという報告は少ない. 今回人工膝関節置換術にcritical pathを使用し従来のprogramと比較し検討した. 「方法」1995年11月から2000年5月までの期間に人工膝関節置換術を施行した133症例を対象とし, 術後program使用群とcriticalpath使用群について入院期間を術前, 術後, 全入院期間に分けて比較した. 術後program使用群58例の平均年齢は71.4歳, 女53例男5例で, critical path使用群75...

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Published inリハビリテーション医学 Vol. 38; no. suppl; p. S275
Main Authors 津村暢宏, 陳隆明, 辻本和雄, 高田正三, 藤田久夫, 澤村誠志
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本リハビリテーション医学会 2001
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Summary:「目的」critical pathは治療の効率化という点で最近注目されているが, 実際にcritical pathを使用してどのような効果があったという報告は少ない. 今回人工膝関節置換術にcritical pathを使用し従来のprogramと比較し検討した. 「方法」1995年11月から2000年5月までの期間に人工膝関節置換術を施行した133症例を対象とし, 術後program使用群とcriticalpath使用群について入院期間を術前, 術後, 全入院期間に分けて比較した. 術後program使用群58例の平均年齢は71.4歳, 女53例男5例で, critical path使用群75例の平均年齢は70.2歳, 女70例男5例であった. 「結果」全入院期間はprogram使用群の平均89.1日に対してcriticalpath使用群は平均68.9日で平均20.2日の短縮を認めた(P<0.01). 術前期間はprogram使用群で平均12.0日に対してcritical path使用群は平均9.5日の短縮となったが(P<0.05), 術後期間はprogram使用群の平均77.0日に対してcritical path使用群は平均59.5日(P<0.05)となっており, 術前より術後の入院期間の短縮が著しかった. 「結論」critical pathは治療計画を患者に分かり易い表現で表にまとめて患者に渡し治療計画を説明した点が従来のprogramと異なる点であり, critical pathの導入により人工膝関節置換術の入院期間の短縮が見られた.
ISSN:0034-351X