左片麻痺, 構音障害, 嚥下障害を呈した小児Willis動脈輪閉塞症(もやもや病)の1例

症例は, 5歳男児. 左手指しびれ感と巧緻性障害を主訴に外来を受診し, もやもや病疑いで入院となった. 画像検査により診断は確定した. 左片麻痺はBrunnstrom stage IV~Vであった. はじめに左側の頭蓋内外血管吻合術を行った. 術後, 左片麻痺(すべてstage I), 構音・嚥下障害が出現した. 理学, 言語療法を行い, 監視下の歩行自立, コミュニケーション手段の確立, ヨーグルトの摂取可能まで回復した. 2回目に右側の頭蓋内外血管吻合術を行った. 左片麻痺はstage III~IVとやや改善した. 理学, 作業言語療法を行い, 屋外歩行監視下で自立し, 補助手としての動作...

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Published inリハビリテーション医学 Vol. 37; no. 1; p. 72
Main Authors 佐々木緑, 住田幹男, 土岐明子, 藤本幹雄
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本リハビリテーション医学会 2000
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Summary:症例は, 5歳男児. 左手指しびれ感と巧緻性障害を主訴に外来を受診し, もやもや病疑いで入院となった. 画像検査により診断は確定した. 左片麻痺はBrunnstrom stage IV~Vであった. はじめに左側の頭蓋内外血管吻合術を行った. 術後, 左片麻痺(すべてstage I), 構音・嚥下障害が出現した. 理学, 言語療法を行い, 監視下の歩行自立, コミュニケーション手段の確立, ヨーグルトの摂取可能まで回復した. 2回目に右側の頭蓋内外血管吻合術を行った. 左片麻痺はstage III~IVとやや改善した. 理学, 作業言語療法を行い, 屋外歩行監視下で自立し, 補助手としての動作能力が向上し, 単語から短文レベルで口頭でのコミュニケーションが可能となった. しかし, 記銘力の低下がみられており, 症状固定した場合, 両親の障害受容, 適正な学校を選択する必要がある.
ISSN:0034-351X