当院における視床出血の検討

「目的」脳血管障害患者の退院後のゴールを設定するためにその予後をできるだけ正確に推定することはリハビリテーション(以下, リハ)に課された使命の1つである. 今回我々は視床出血のリハにおいて得られる様々な情報を分類し, 第2報としてそれらが退院時のBarthel Index, 移動能力といったADLレベルに影響を及ぼしたかについて検討したので報告する. 「対象」1984~1998年に東海大学大磯病院に入院して初期治療から開始しリハを終了後退院した初回発症の視床出血65例(男41例, 女25例, 年齢42~87歳, 平均62歳)経過中に死亡した症例とリハ科初診時すでに車椅子からの立位動作が自立し...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published inリハビリテーション医学 Vol. 36; no. 11; pp. 727 - 728
Main Authors 安里隆, 児玉三彦, 古野薫, 田中博, 豊倉穣, 石田暉
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本リハビリテーション医学会 1999
Online AccessGet full text

Cover

Loading…
More Information
Summary:「目的」脳血管障害患者の退院後のゴールを設定するためにその予後をできるだけ正確に推定することはリハビリテーション(以下, リハ)に課された使命の1つである. 今回我々は視床出血のリハにおいて得られる様々な情報を分類し, 第2報としてそれらが退院時のBarthel Index, 移動能力といったADLレベルに影響を及ぼしたかについて検討したので報告する. 「対象」1984~1998年に東海大学大磯病院に入院して初期治療から開始しリハを終了後退院した初回発症の視床出血65例(男41例, 女25例, 年齢42~87歳, 平均62歳)経過中に死亡した症例とリハ科初診時すでに車椅子からの立位動作が自立していた症例を除いた58例. 「方法」退院時のBarthel Index(80≦, 80>), 移動能力(車椅子自立, 非自立)を2群に分け, 年齢, 病変部位(左/右), 発症時CT分類, 血腫量, 経過中の併存疾患数, 重みづけ併存疾患指数の7つの因子について各群間で平均値に差が見られるかどうかについて後ろ向き研究で検討した. 「結果」病変の左右については退院時のBarthel Index, 移動能力に有意差はなかった. 発症時のCT分類, 血腫量においては若干の差が見られる傾向あり, 年齢, 併存疾患指数, 重みづけ併存疾患指数では高い有意差を認めた. 「考察」退院時のBarthel Indexや移動能力は年齢, 併存疾患指数, 重みづけ併存疾患指数などリハの効果に影響を与える因子と高い関連性を認めた.
ISSN:0034-351X