片麻痺患者の内反尖足改善に関する足底板の工夫

当科では片麻痺に伴う内反尖足に対して, 脛骨神経ブロックやアキレス腱延長術を施行しているが, いずれをも拒否する症例に対し, 足底外側部に圧刺激が加わるような足底板を用いている. これにより強度の拘縮を伴っていない症例では内反尖足の改善がある程度得られている. 今回, この効果に対して電気生理学的検討を加えた. 「対象」片麻痺例7名(男性3名, 女性4名, 平均年齢64.4±12.4歳). 「方法」ピラミッド型靴底プレートを足底外側のS1領域に圧刺激が加わるように装着し, 下腿前面と下腿後面の立脚時の表面筋電図を記録し, 一定時間における筋電波形の積分を行い, その面積を比較した. 「結果」S...

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Published inリハビリテーション医学 Vol. 36; no. 6; p. 417
Main Authors 松元秀次, 紫藤泰二, 木原薫, 田中達也, 上下智之, 安田國士, 赤城哲哉, 紫垣光久, 内田潤郎, 浅山滉
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本リハビリテーション医学会 1999
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Summary:当科では片麻痺に伴う内反尖足に対して, 脛骨神経ブロックやアキレス腱延長術を施行しているが, いずれをも拒否する症例に対し, 足底外側部に圧刺激が加わるような足底板を用いている. これにより強度の拘縮を伴っていない症例では内反尖足の改善がある程度得られている. 今回, この効果に対して電気生理学的検討を加えた. 「対象」片麻痺例7名(男性3名, 女性4名, 平均年齢64.4±12.4歳). 「方法」ピラミッド型靴底プレートを足底外側のS1領域に圧刺激が加わるように装着し, 下腿前面と下腿後面の立脚時の表面筋電図を記録し, 一定時間における筋電波形の積分を行い, その面積を比較した. 「結果」S1領域の圧刺激により内反尖足症例では, 前脛骨筋の積分筋電図の面積が装着前に比べ有意に増加することが観察された.
ISSN:0034-351X