脳卒中片麻痺患者の健側上肢機能

発症から6カ月以内に入院, リハビリテーション治療を受けた脳卒中片麻痺患者168例の脳卒中上肢機能スコア(MFS)でみた健側上肢機能の特性, 経時変化および片麻痺側, 発症からの期間, 麻痺側上肢機能, 知的機能(ミニメンタルステート), 日常生活活動(バーセルインデックス)との関連を検討し健側機能低下の要因について検討した. 健側上肢機能は, 同年代の健常者に比べ低下していた. 系統的なリハビリテーション治療を受けることにより, 4週後までには大きく, その後は穏やかに改善した. 低下する検査項目は立方体運び, ペグボードの「手操作」2項目で, 手指巧微性を要するペグボードの低下がより大きく...

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Published inリハビリテーション医学 Vol. 35; no. 2; p. 117
Main Authors 佐直信彦, 森田稲子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本リハビリテーション医学会 1998
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Summary:発症から6カ月以内に入院, リハビリテーション治療を受けた脳卒中片麻痺患者168例の脳卒中上肢機能スコア(MFS)でみた健側上肢機能の特性, 経時変化および片麻痺側, 発症からの期間, 麻痺側上肢機能, 知的機能(ミニメンタルステート), 日常生活活動(バーセルインデックス)との関連を検討し健側機能低下の要因について検討した. 健側上肢機能は, 同年代の健常者に比べ低下していた. 系統的なリハビリテーション治療を受けることにより, 4週後までには大きく, その後は穏やかに改善した. 低下する検査項目は立方体運び, ペグボードの「手操作」2項目で, 手指巧微性を要するペグボードの低下がより大きく, 改善も劣った. 低下の要因として知的機能の影響, 日常生活活動低下による廃用の影響が示唆された.
ISSN:0034-351X