足底圧分圧測定システム(F-SCAN)の再現性について

「目的」足底圧分圧測定システム(F-SCAN)の計測値の再現性について検討した. 「方法」健常男性8名, 平均年齢26歳(24~29)を被検者とし, 運動用の靴の中に厚さ5mmの足底板を挿入した. センサーを足底板上に設置したときと足底板下に置いた場合の二つの条件で, それぞれ遅い歩行, 自由歩行, 速い歩行の三つの条件下で床反力計上(Kistler9257B21)で行い, 床反力とF-SCANとを同時に測定, 比較した. 「結果」足底圧と床反力の比較では, 全ての実験, 条件においてその差は明らかで30%の過大な誤差を生じていた. F-SCANと床反力の波形の面積が等しくなるようにF-SCA...

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Published inリハビリテーション医学 Vol. 34; no. 11; p. 818
Main Authors 志波直人, 今石喜成, 牛島茂樹, 池田香苗, 後藤武, 斉藤隆, 井上明生, 松尾重明, 田川善彦, 川上篤志
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本リハビリテーション医学会 1997
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Summary:「目的」足底圧分圧測定システム(F-SCAN)の計測値の再現性について検討した. 「方法」健常男性8名, 平均年齢26歳(24~29)を被検者とし, 運動用の靴の中に厚さ5mmの足底板を挿入した. センサーを足底板上に設置したときと足底板下に置いた場合の二つの条件で, それぞれ遅い歩行, 自由歩行, 速い歩行の三つの条件下で床反力計上(Kistler9257B21)で行い, 床反力とF-SCANとを同時に測定, 比較した. 「結果」足底圧と床反力の比較では, 全ての実験, 条件においてその差は明らかで30%の過大な誤差を生じていた. F-SCANと床反力の波形の面積が等しくなるようにF-SCANのデータの正規化を行うと, 遅い速度では有意差がなくなったが, 自由歩行, 速い歩行ではF3でなおも差があった. これらの結果は足底板上, 下のセンサー位置には関係なく同様であった. 作用点軌跡は座標変換を行うと床反力計と同等であった. 「考察」遅い歩行速度では床反力との併用で正規化を行うことにより, 評価が可能ではないかと考えられた. また, 作用点軌跡においては単独に用いた評価が可能と考えられた.
ISSN:0034-351X