ストレッチングが骨格筋の微小循環に与える影響
「はじめに」骨格筋は収縮時に酸素需要が激増する. この酸素需要の増大に応えるために, 酸素供給が迅速に増加する必要がある. 私たちの体は酸素需要の増大にどのように応えているのだろうか? 1900年代に Krogh らは, 顕微鏡を用いてカエルの骨格筋毛細血管の赤血球の動きを初めて可視化し, 骨格筋の血流制御に関する研究が幕を開けた. Krogh らの研究から100年以上が経過した現在においても, 末梢動脈疾患(PAD)をはじめとする慢性疾患を有する患者は, 運動時の筋血流障害により運動耐容能だけでなくQuality of Lifeならびに生命予後の著しい損失を被っている. したがって, 骨格筋...
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Published in | 日本基礎理学療法学雑誌 Vol. 23; no. 1; pp. 31 - 36 |
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Main Author | |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本基礎理学療法学会
08.03.2020
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Summary: | 「はじめに」骨格筋は収縮時に酸素需要が激増する. この酸素需要の増大に応えるために, 酸素供給が迅速に増加する必要がある. 私たちの体は酸素需要の増大にどのように応えているのだろうか? 1900年代に Krogh らは, 顕微鏡を用いてカエルの骨格筋毛細血管の赤血球の動きを初めて可視化し, 骨格筋の血流制御に関する研究が幕を開けた. Krogh らの研究から100年以上が経過した現在においても, 末梢動脈疾患(PAD)をはじめとする慢性疾患を有する患者は, 運動時の筋血流障害により運動耐容能だけでなくQuality of Lifeならびに生命予後の著しい損失を被っている. したがって, 骨格筋血流の生理的あるいは病的変化の理解は必要不可欠である. 本稿では, 骨格筋における血流調節の機序, および運動時の血流を増加させる新たな方法としてストレッチングの効果について概説する. |
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ISSN: | 2186-0742 |