糀巣を含む多臓器病変を伴って発症した若年サルコイドーシスの一例

若年性の多臓器病変を来すサルコイドーシスは, ステロイド剤に反応が良く, 予後も良好であるとの報告が多い. 今回我々は睾丸を含む多臓器を伴って発症した若年サルコイドーシスの症例を経験した. 症例は27歳男性. 主訴は耳鳴, 霧視, 眼瞼腫脹. 前医でブドウ膜炎と診断され, 胸部X線写真, 胸部CT上両側肺門部リンパ節腫脹, 両肺野に多発性に直径2cm前後のcottonlike shadowを認めた. Gaシンチでは涙腺, 耳下腺, 縦隔, 肺門部, 肺野病変部に加え, 両側の精巣に集積を認めた. 入院時ツ反は陰性であり, リゾチームの上昇を認め, 気管支肺胞洗浄液中Tリンパ球のCD4/CD8比...

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Published inサルコイドーシス/肉芽腫性疾患 Vol. 21; no. 2; p. 52
Main Authors 濡木真一, 村松知予, 上野拓也, 畑正広, 深見徹二朗, 安東優, 重永武彦, 宮崎英士, 杉崎勝教, 津田富康
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本サルコイドーシス/肉芽腫性疾患学会 2001
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ISSN1345-0565

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Summary:若年性の多臓器病変を来すサルコイドーシスは, ステロイド剤に反応が良く, 予後も良好であるとの報告が多い. 今回我々は睾丸を含む多臓器を伴って発症した若年サルコイドーシスの症例を経験した. 症例は27歳男性. 主訴は耳鳴, 霧視, 眼瞼腫脹. 前医でブドウ膜炎と診断され, 胸部X線写真, 胸部CT上両側肺門部リンパ節腫脹, 両肺野に多発性に直径2cm前後のcottonlike shadowを認めた. Gaシンチでは涙腺, 耳下腺, 縦隔, 肺門部, 肺野病変部に加え, 両側の精巣に集積を認めた. 入院時ツ反は陰性であり, リゾチームの上昇を認め, 気管支肺胞洗浄液中Tリンパ球のCD4/CD8比は軽度上昇を認めた. 前斜角筋リンパ節生検, TBLB施行し, 非乾酪性類上皮細胞肉芽腫を認め, サルコイドーシスと診断した. 網膜血管周囲炎に対してPSL40mg/dayの内服投与が開始され, 眼科的所見, 肺野病変及び精巣の病変は改善した. サルコイドーシスにおいて生殖器の病変が出現することは稀であるため文献的考察を加えて報告する.
ISSN:1345-0565