眼サルコイドーシスに対するステロイド内服適応

眼サルコイドーシス(眼サ症)に対するステロイド内服適応の現状を検討した. 対象は, 平成8~11年の眼サルコイドーシス確診48例. 平均年齢49±18歳. 男/女=17/31. 観察期間は平均21±18ヶ月. 重篤な虹彩炎, 硝子体混濁, 広範な滲出性網脈絡膜病変, 網膜血管周囲炎, 黄斑浮腫, 視神経乳頭の大型結節または浮腫に対しプレドニゾロン(PSD内服を行った. 投与法は, PSL40mg/日から開始し, 6ヶ月で漸減中止を原則とした. 内服の効果判定を視力, 眼底所見, 蛍光眼底所見を併せretrospectiveに検討した. 結果:17例(35%)にPSL内服を行った. 適応の内訳で...

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Published inサルコイドーシス/肉芽腫性疾患 Vol. 20; no. 2; p. 46
Main Authors 中嶋花子, 大原國俊, 山口恵子, 矢口智恵美, 東永子, 陳軍
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本サルコイドーシス/肉芽腫性疾患学会 2000
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ISSN1345-0565

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Summary:眼サルコイドーシス(眼サ症)に対するステロイド内服適応の現状を検討した. 対象は, 平成8~11年の眼サルコイドーシス確診48例. 平均年齢49±18歳. 男/女=17/31. 観察期間は平均21±18ヶ月. 重篤な虹彩炎, 硝子体混濁, 広範な滲出性網脈絡膜病変, 網膜血管周囲炎, 黄斑浮腫, 視神経乳頭の大型結節または浮腫に対しプレドニゾロン(PSD内服を行った. 投与法は, PSL40mg/日から開始し, 6ヶ月で漸減中止を原則とした. 内服の効果判定を視力, 眼底所見, 蛍光眼底所見を併せretrospectiveに検討した. 結果:17例(35%)にPSL内服を行った. 適応の内訳では後部ぶどう膜炎が15例(88%)と大部分を占めた. 内服により11例(65%)に炎症の改善を認めた. 3例は副作用(糖尿病の発症または悪化)のため内服を中止した. 考按:眼サ症でのPSL内服適応は35%と高頻度であった. 炎症改善率が65%という結果からPSL内服は有効であり, 我々の適応基準は適切と考えられた.
ISSN:1345-0565