サルコイドーシス患者のBAL細胞における25-Hydroxyvitamin D 1α-hydroxylase(1α水酸化酵素)遺伝子の発現

[目的] 1α水酸化酵素は, 主に腎臓に発現し, 25hydroxy D3から活性型の1.25dihydroxy D3を生成する. サルコイドーシスでは稀に高Ca血症をきたし, 活性型肺胞マクロファージが同酵素活性を示すことより, 高Ca血症の原因と考えられてきた. 今回, サルコイドーシス患者のBAL細胞における1α水酸化酵素遺伝子発現を初めて同定するとともに, 疾患活動性, Ca代謝との関連を検討した. [対象と方法] 対象はサルコイドーシス患者7名. 非サルコイドーシス患者をコントロール群とした. BAL細胞を回収後, RT-PCRを行い1α水酸化酵素の発現量を調べた. 発現量はGAPD...

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Published inサルコイドーシス/肉芽腫性疾患 Vol. 20; no. 2; p. 40
Main Authors 乾直輝, 千田金吾, 須田隆文, 桑田博史, 鈴木研一郎, 中野泰克, 松田宏幸, 横村光司, 朝田和博, 中村祐太郎, 土屋智義, 佐藤潤, 中村浩淑
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本サルコイドーシス/肉芽腫性疾患学会 2000
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ISSN1345-0565

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Summary:[目的] 1α水酸化酵素は, 主に腎臓に発現し, 25hydroxy D3から活性型の1.25dihydroxy D3を生成する. サルコイドーシスでは稀に高Ca血症をきたし, 活性型肺胞マクロファージが同酵素活性を示すことより, 高Ca血症の原因と考えられてきた. 今回, サルコイドーシス患者のBAL細胞における1α水酸化酵素遺伝子発現を初めて同定するとともに, 疾患活動性, Ca代謝との関連を検討した. [対象と方法] 対象はサルコイドーシス患者7名. 非サルコイドーシス患者をコントロール群とした. BAL細胞を回収後, RT-PCRを行い1α水酸化酵素の発現量を調べた. 発現量はGAPDHで補正し, semiquantitative PCRを行った. [結果と考察] 1α水酸化酵素の発現量はサルコイドーシス群が10.8±3.6で, コントロール群の2.2±1.4と比べ有意に亢進していた. また, 発現量はBAL中リンパ球比率と有意に相関しており, 画像, 肺機能の悪化を認める症例で高値を示した. Ca代謝については1.25D/25Dと有意な相関を示し, サルコイドーシスにおける高Ca血症の原因と考えられた.
ISSN:1345-0565