63.口内法ディジタルエックス線撮影系におけるラジオグラフィックモトルの解明

【目的】画像撮影の流れは近年ディジタル画像記録系が用いられるようになってきた. そこで今回, フィルムに代わるCCDディテクタの粒状性粒状性について検討を行った. これまで, 主たる因子であった増感紙が, ディジタル撮影系には用いられていないことから, CCDの粒状性は画素間のばらつきであり, フィルムの粒状性と同じと考えられている. しかし演者はCCDの感度がノンスクリーンフィルムよりはるかに高いことから, CCDの粒状性は単なる画素間のばらつき以外に, 量子モトルに相当する成分が関与していると考えている. 実験の結果CCD記録系の粒状性, すなわちラジオグラフィックモトルは増感紙フィルム系...

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Published in歯科放射線 Vol. 45; no. 4; p. 183
Main Authors 奥村泰彦, 山田優美子, 中浜久則, 井上信行, 保刈成志, 塩崎洋堂
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本歯科放射線学会 2005
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ISSN0389-9705

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Summary:【目的】画像撮影の流れは近年ディジタル画像記録系が用いられるようになってきた. そこで今回, フィルムに代わるCCDディテクタの粒状性粒状性について検討を行った. これまで, 主たる因子であった増感紙が, ディジタル撮影系には用いられていないことから, CCDの粒状性は画素間のばらつきであり, フィルムの粒状性と同じと考えられている. しかし演者はCCDの感度がノンスクリーンフィルムよりはるかに高いことから, CCDの粒状性は単なる画素間のばらつき以外に, 量子モトルに相当する成分が関与していると考えている. 実験の結果CCD記録系の粒状性, すなわちラジオグラフィックモトルは増感紙フィルム系とは異なった成分から構成されていることがわかった. 【材料, 方法】管電圧(50kV, 70kV, 90kVの3種類), CCDはコンピュレイを使用し, (1)各管電圧と粒状性をウィナースペクトル値として測定した. (グレイレベルと粒状性, 同一グレイレベルにおける管電圧と粒状性)(2)線量率と粒状性についてウィナースペクトルを求めた. (線量率とディジタル特性曲線, グレイレベルと粒状性の関係)(3)散乱線と粒状性についてウィナースペクトルを求めた. (CCD内における散乱線の測定, 被写体からの散乱線の測定)(4)CCD画素間の粒状性と各管電圧における粒状性の測定. 【結果】CCDディテクタの粒状性成因因子について研究を行なった結果, 以下の結論が得られた. 1. 管電圧と粒状性の関係では, 50kV~90kVと高くなると, 粒状性は悪くなった. 2. CCDに照射された線量(グレイレベルと粒状性)の関係では, グレイレベルが高くなると, 粒状性は悪くなった. 3. 線量率と特性曲線の関係では, 18.4~208.5mR/secの範囲で特性曲線は同一であり, 線量率による差異は認められなかった. 4. 線量率と散乱線の関係で, 照射線量の少ない領域, つまり低線量率で粒状性は悪くなった. 5. 粒状性と散乱線の関係では, 粒状性は量子モトルと密接に関係しCCD内から発生する散乱線が大きく影響することがわかった. 6. 被写体内から発生した散乱線の粒状性への影響は, 50kV~90kVの範囲内では, 管電圧の上昇とともに粒状性が劣化することがわかった. 7. CCDのラジオグラフィックモトルの成因は, カンタムモトル, 散乱線モトル, CCD粒状性から成り立つことが示唆された.
ISSN:0389-9705