5.歯科放射線学臨床実習の変更後の評価
【目的】今日の歯科教育方法においては, 自己学習による問題解決能力やコミュニケーション能力の育成に重点がおかれている. 東京歯科大学歯科放射線学臨床実習の改善を目標として, 能動的な学習方法に基づき, より参加型を意図した実習を行った. アンケート調査により臨床実習変更前と変更後の学生評価の差を検討することを目的とした. 【方法】平成16年6月から開始した前期臨床実習に対し, 以下の変更を行った. またアンケート調査により実習形態変更前の平成15年度と変更後の16年度の学生を対象に指導体制評価について検討を行った. アンケート評価尺度(値)として1~5を設定し, 5を最高点とした. Mann-...
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Published in | 歯科放射線 Vol. 45; no. 1; p. 33 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本歯科放射線学会
2005
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Online Access | Get full text |
ISSN | 0389-9705 |
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Summary: | 【目的】今日の歯科教育方法においては, 自己学習による問題解決能力やコミュニケーション能力の育成に重点がおかれている. 東京歯科大学歯科放射線学臨床実習の改善を目標として, 能動的な学習方法に基づき, より参加型を意図した実習を行った. アンケート調査により臨床実習変更前と変更後の学生評価の差を検討することを目的とした. 【方法】平成16年6月から開始した前期臨床実習に対し, 以下の変更を行った. またアンケート調査により実習形態変更前の平成15年度と変更後の16年度の学生を対象に指導体制評価について検討を行った. アンケート評価尺度(値)として1~5を設定し, 5を最高点とした. Mann-Whitney検定により, 平成15年度と16年度の2群間の評価値を検定した. 変更の概要 1. 症例検討会:実習の開始を前日の症例についての症例検討会とすることとした. 多人数での討論により, 画像診断に対する理解を深めることが期待できると考えた. 2. PBL方式課題:課題は実習日の初日に与えられ, 一人1課題とし, 課題内容は実際の臨床現場で必要となる知識を, より深めるものとした. 3. 正常解剖実習:Power-Point(R)上で作成したファイルを用い, 種々の撮影法(画像検査法)によって得られた画像上で, 解剖学的構造物を正確に特定することを目的に行うこととした. 4. 撮影見学実習および画像診断実習:担当教員制にすることにより, 撮影から診断までを正確に理解することを意図した. 【結果と考察】「資料収集, 文献検索の機会が十分与えられた. 」「指導医は知識や技能, 態度習得の意欲が湧いてくるような刺激を与えてくれた」「総じて自分の接した指導医の指導, 監査は適切だった」の項目において有意に平成16年度の方が高評価値を示した. 以上より臨床実習における能動的学習法の意図が学生に対して浸透したことが示唆された. |
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ISSN: | 0389-9705 |