19.神奈川歯科大学における34年間のシンチグラフイー

神奈川歯科大学付属病院にシンチグラフィー装置が導入され今年で34年になる. シンチグラフィー施行数は2004年6月現在で述べ1809件で, 患者の依頼元は本学付属病院口腔外科のほか, 近隣の一般病院である. シンチグラフィー開始当時は現在のようなシンチカメラではなく, シンチスキャナーを使用していたが, 翌年の昭和46年に国内の歯科大学としての第1号のシンチカメラを導入した. 昭和55年に新たに現在使用しているシンチカメラ(東芝製ガンマーカメラGCA-401)に買い換え, 今年でシンチグラフィーを施行してから34年目となる. 初期の頃は当科の研究分野が核医学主体であり, 67Gaの臨床応用,...

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Published in歯科放射線 Vol. 44; no. 4; pp. 280 - 281
Main Authors 若尾博美, 閑野政則, 川股亮太, 松本友紀子, 鹿島勇
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本歯科放射線学会 2004
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ISSN0389-9705

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Summary:神奈川歯科大学付属病院にシンチグラフィー装置が導入され今年で34年になる. シンチグラフィー施行数は2004年6月現在で述べ1809件で, 患者の依頼元は本学付属病院口腔外科のほか, 近隣の一般病院である. シンチグラフィー開始当時は現在のようなシンチカメラではなく, シンチスキャナーを使用していたが, 翌年の昭和46年に国内の歯科大学としての第1号のシンチカメラを導入した. 昭和55年に新たに現在使用しているシンチカメラ(東芝製ガンマーカメラGCA-401)に買い換え, 今年でシンチグラフィーを施行してから34年目となる. 初期の頃は当科の研究分野が核医学主体であり, 67Gaの臨床応用, 症例報告を国内外にアピールすることを目的としていたため, 患者は本学付属病院よりむしろ周辺一般病院の医科からの患者が多かったが, 主任教授の交代などに伴って後半の15年では歯科(本学口腔外科)からの依頼が多くなり, またRIの使用数も限られているうえ, シンチカメラの老朽化に伴う故障や誤動作も多くなったことから, ここ8年問では他病院からの依頼受付は中止せざるを得なくなった. 核医学検査でこれまで使用した主な放射性核種は悪性腫瘍診断薬の67Gaと99mTcで, 99mTcではパーテクネテート(99mTcO4-)の形で唾液腺, 甲状腺に使用し, 99mTc-ピロリン酸, 99mTc-MDP, 99mTc-MDPなどのようにリン酸塩に標識することで骨シンチグラフィーに使用している. 撮像形態は静態, 動態, 全身の3種類のシンチグラフィーを施行している. 1809件の主な内訳は67Gaが853件, 99mTcのうち骨が749件, 唾液腺が203件で, 検査以来を受けた患者別では悪性腫瘍またはその疑いの患者が80%以上であり, その80%以上は入院時または治療前の67Gaあるいは99mTcによる骨の単純および遠隔転移を疑った全身シンチグラフィーであった.
ISSN:0389-9705