6.画像・装置(O-22~O-26)

演題O-22(九大, 吉浦ら)は, 2種類のPerceptibility Curve(PC)を用いてイメージングプレート(IP)を用いた口内法X線撮影システムDigoraの心理物理特性について評価した. 画像処理のファクターとして自動濃度補償機能(AEC)をONおよびOFFに設定して比較している. AECをONにした場合, IPに照射された表面線量から計算したpPCは視認能のピークレベルが狭いが, 透過X線量から計算したoPCのそれよりも高いピーク値を示したとしている. 一方で, AECのON, OFFはpPCに影響はなかったとしている. IPはダイナミックレンジが広いが, calibrati...

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Published in歯科放射線 Vol. 44; no. 1; pp. 62 - 63
Main Author 和光衛
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本歯科放射線学会 2004
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ISSN0389-9705

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Summary:演題O-22(九大, 吉浦ら)は, 2種類のPerceptibility Curve(PC)を用いてイメージングプレート(IP)を用いた口内法X線撮影システムDigoraの心理物理特性について評価した. 画像処理のファクターとして自動濃度補償機能(AEC)をONおよびOFFに設定して比較している. AECをONにした場合, IPに照射された表面線量から計算したpPCは視認能のピークレベルが狭いが, 透過X線量から計算したoPCのそれよりも高いピーク値を示したとしている. 一方で, AECのON, OFFはpPCに影響はなかったとしている. IPはダイナミックレンジが広いが, calibration modeによってその範囲が変化する事を考慮し, high, lowの2種類のcalibrationを採用し, pPCの比較も行っている. 結果として, 形態差はないもののlow calibrationでカーブが低線量域へシフトしたと報告している. 和光(東歯大)より, oPCとpPCの違いは, 評価の背景に散乱線を考慮しているかいないかということで理解してよろしいのかとの質問があった. 加えて, 散乱線を含むpPCで視認能レベルが高いのは何故かとの質問があった. 演題O-23(九大, 岡村ら)は, CCDセンサーを用いた口内法ディジタル画像診断システム, CDRおよびDixelを用いて, ホールを有するアルミニウムファントムを種々の撮影条件で撮影し, 得られた原画像と反転処理した画像との検出能を比較した. モダリティ別ではCDRにおいて低輝度領域での反転画像の検出能が原画像のそれより上昇したとしている. この種の評価においては, モニターのガンマ特性および輝度レベルによって検出能が異なってくる. 和光(東歯大)より, 今回の結果は, 低輝度領域のガンマ特性が悪いモニターを使用しているのではないか. また, 低輝度のガンマ特性が良くなるように調整した場合, どのような結果が予測されるのか. さらに, 単純な階調反転処理と濃度およびコントラストの調整では検出能を向上させるのにどちらが効果的と考えるか, との質問があった. 階調処理機能は, 各種モダリティに備えられており, 一般ユーザーを対象とした場合には原画像で検出しにくい場合に解剖学的構造を描出する上で有効であろうとの回答があった. 演題O-24(九大, 清水ら)は, 画像圧縮, ノイズの解析と低減, 形状認識などに応用されているWavelet変換を, デンタル写真に応用し, 隣接面齲蝕などの影響を受けずに歯の外形抽出が可能かどうかを検討した. 森田(鶴見大)より, 人間の視覚特性にあった外形抽出は微分変換法やフーリエ変換法よりもWavelet変換法の方が優れていると考えて良いのかどうかとの質問に対して, そのように思うとの回答があった. 和光(東歯大)より, 隣接面齲蝕などの初期診断をする上でComputer Assisted Diagnosisとして本手法をどのように応用されていくのかとの質問に対して, 外形線をベースに, 内側への画素値の変化を追うことで診断が可能になるであろうとの回答があった. 演題O-25(日大, 岡野ら)は, 頭部エックス線規格CR画像(階調処理画像)を基準画像とし, それらにマルチ周波数処理とくにダイナミック圧縮処理を施したCR画像を比較し, 軟組織描出程度の評価から矯正治療のための軟組織分析への臨床応用の可能性を検討した. 櫻井(神歯大)より, 軟粗織の描出による硬組織描出に弊害はないのか, との質問があった. 現状では, 研修医, 新人医局員など軟組織の読影能力に乏しい医局員を対象に, ダイナミック圧縮処理を施したCR画像と従来の階調処理のみを施した硬組織画像を併用しており, 前者による硬組織の描出評価は今後の検討課題であるとの回答があった. 演題O-26(昭和大, 原瀬ら)は, 下顎骨埋伏智歯の撮影におけるCCDセンサーの口腔内保持の困難さに着目し, 新しく開発された口外法TACTによる埋伏歯の診断能について口内法TACTのそれと比較検討した. 評価項目は, 歯根膜腔の描出能ならびに下顎管と埋伏歯との頬舌的関係の診断能である. 両者は, 口内法TACTにおいて若干良好な結果になったが, 有意差検定では口外法TACTと有意差はなかったとしている. 森田(鶴見大)より, 口外法TACTにおけるエックス線管, 被写体, イメージングプレート(IP)との幾何学的関係をどのように調節したのかとの質問があった. 今回は, 一般撮影装置を用いており, エックス線管とIPを固定して被写体をテーブル上で回転させ9枚の画像を作成したとの回答があった.
ISSN:0389-9705