O-29 骨形態計測学的手法を用いた骨梁構造変化の定量評価法 構造変化と各パラメ-タとの相関について
目的:本研究の目的は非侵襲的で簡便な2次元のdigitalX線画像に対し, morphological filterと骨形態計測学的手法を組み合わせたradiological bone morphometryによる骨梁構造の定量評価法を確立することである. 方法:厚さ10mmのヒト腰椎海綿骨(2mm厚×5枚)を皮質骨ファントームと軟組織ファントームで挟んだ評価用ファントームを作製した. 骨ブロックの切片を1枚ずつ軟組織等価ファントームに置換し, 全体の厚みを変えずに海綿骨骨梁構造を5段階に変化させ, マイクロフォーカス管とimaging plateを用いてX線規格撮影を行った. 撮影したデジタ...
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Published in | 歯科放射線 Vol. 43; no. suppl; p. 43 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本歯科放射線学会
2003
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ISSN | 0389-9705 |
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Summary: | 目的:本研究の目的は非侵襲的で簡便な2次元のdigitalX線画像に対し, morphological filterと骨形態計測学的手法を組み合わせたradiological bone morphometryによる骨梁構造の定量評価法を確立することである. 方法:厚さ10mmのヒト腰椎海綿骨(2mm厚×5枚)を皮質骨ファントームと軟組織ファントームで挟んだ評価用ファントームを作製した. 骨ブロックの切片を1枚ずつ軟組織等価ファントームに置換し, 全体の厚みを変えずに海綿骨骨梁構造を5段階に変化させ, マイクロフォーカス管とimaging plateを用いてX線規格撮影を行った. 撮影したデジタルX線画像情報に対し骨形態計測ソフトウェアを用い, median filter処理を行なった後, morphology処理により骨梁の骨格抽出を行なった. 抽出された骨格画像に対しselective skeleton filter処理を行い, 独立骨格成分を除去した後, bone histomorphometric analysisにより骨格の量, 表面積, 幅, 数, 間隙, 複雑性, 配行性を計測した. さらにstar volume analysis, node-strut analysisにより骨格の連続性, 連結性を計測した. ファントームの骨梁構造変化と構造パラメータとの相関からradiological bone morphometryの精度について検討した. 結果:海綿骨厚と解析値の相関係数は全てのhistomorphometric indicesにおいてr=0.89以上を呈した. Star volume analysisにおいてはVskがr=0.97と高い相関を示した. そして, node-strut analysisでは, 全てのパラメータにおいてr=0.93以上の相関を示した. 結論:Morphological filterと骨形態計測学的手法を組み合わせたradiological bone morphometryは骨梁構造変化を高い精度で定量化することが可能であり, 骨梁構造解析のためのCADとして有用であることが示唆された. そして, 今後の臨床応用の可能性が期待できるものと考えられた. |
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ISSN: | 0389-9705 |