バーチャル症例検討会の評価

目的:自己学習を進めるための「バーチャル症例検討会」を構築してきたが, 今回の作成方法において問題作成に不具合はないだろうか, また, はたして妥当な回答結果が得られるか, という疑問が生じた. そこで, 「バーチャル症例検討会」についての評価を目的とするものである. 方法:任意の8症例を選び, 簡便な「バーチャル症例検討会」を作成した. これを, 被験者に実行してもらい, その正解率を調べた. 被験者は本学5年生50名, 6年生50名, 臨床経験5年未満の歯科医師10名, 10年未満の歯科医師10名, 10年以上の歯科医師10名である. 結果:学生の正解率も症例によってかなりのばらつきがあり...

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Published in歯科放射線 Vol. 40; no. suppl; p. 111
Main Authors 関谷恵子, 内藤康雄, 森下一夫, 金田隆, 小澤薫
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本歯科放射線学会 2000
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ISSN0389-9705

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Summary:目的:自己学習を進めるための「バーチャル症例検討会」を構築してきたが, 今回の作成方法において問題作成に不具合はないだろうか, また, はたして妥当な回答結果が得られるか, という疑問が生じた. そこで, 「バーチャル症例検討会」についての評価を目的とするものである. 方法:任意の8症例を選び, 簡便な「バーチャル症例検討会」を作成した. これを, 被験者に実行してもらい, その正解率を調べた. 被験者は本学5年生50名, 6年生50名, 臨床経験5年未満の歯科医師10名, 10年未満の歯科医師10名, 10年以上の歯科医師10名である. 結果:学生の正解率も症例によってかなりのばらつきがあり, モニターに慣れている者は, 正解率が高い傾向を示した. また, 症例の説明文を正しく読み取る者は, 正解率が高かった. 臨床経験年数の長い歯科医師のほうが, 一般のフィルムの読影になれているためか, 正解率が高いとはいえないという結果になった. 結論:以上の結果をまとめると, 「バーチャル症例検討会」は, X線写真の読影に興味を持たせることに, 有効であった. 学生が自ら行う, 症例についての自己学習には, 効果的であると示唆された.
ISSN:0389-9705