超音波とTLI(Tissue Locus Imaging)法による顎顔面領域動態解析の試み
目的:高齢者, 障害者の摂食嚥下機能診断を非侵襲的, 即時, 簡易に行うため, 残像効果を基本としたTLI(Tissue Locus Imaging)法を超音波画像に応用し, 顎顔面領域の動態解析を試みた. 方法:超音波断層画像において, 決定閾値以上の輝度を持つ画素以外の画素に対し減衰処理を行い, 求めようとする組織の軌跡を描出した(TLI法). 健常者及び摂食障害のみられるDown症候群患者の舌と下顎頭の運動動態をTLI法で描出し, 従来のB-Mode及びアキシオグラフィーとの比較検討を行った. 結果:(1)超音波とTLI法を組み合わせた本方法は, 従来のB-Modeに比べ舌及び下顎頭の運...
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Published in | 歯科放射線 Vol. 40; no. suppl; p. 83 |
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Main Authors | , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本歯科放射線学会
2000
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ISSN | 0389-9705 |
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Summary: | 目的:高齢者, 障害者の摂食嚥下機能診断を非侵襲的, 即時, 簡易に行うため, 残像効果を基本としたTLI(Tissue Locus Imaging)法を超音波画像に応用し, 顎顔面領域の動態解析を試みた. 方法:超音波断層画像において, 決定閾値以上の輝度を持つ画素以外の画素に対し減衰処理を行い, 求めようとする組織の軌跡を描出した(TLI法). 健常者及び摂食障害のみられるDown症候群患者の舌と下顎頭の運動動態をTLI法で描出し, 従来のB-Mode及びアキシオグラフィーとの比較検討を行った. 結果:(1)超音波とTLI法を組み合わせた本方法は, 従来のB-Modeに比べ舌及び下顎頭の運動動態を判断しやすい軌跡として描出した. (2)対象となった摂食障害患者は捕食の際, 舌陥凹が形成されないことがTLI-Modeで明確に診断された. (3)健常者のTLI-Modeは山形を示したのに対し, アキシオグラフィーで下顎動態に異常のあった摂食障害患者の下顎頭TLI-Modeは直線状を示した. 結論:今後さらに検討を進めれば, 超音波とTLI(Tissue Locus Imaging)法を組み合わせた運動動態解析法は, 非侵襲的に摂食嚥下機能の診断を支援する方法の一つとして, 有用である可能性が示唆された. |
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ISSN: | 0389-9705 |