画像ファイリングシステムの構築

目的:我々はインターネットを利用した, 画像データの授受に関して検討を重ねてきた. 現在, 学生教育の補助となるべき放射線学教室のホームページを作成し学内向けに公開している. その利用率の検討については, 平成9年10月の第38回日本歯科放射線学会総会において研究経過を発表した. さらに我々は特定の開業医との画像データの授受について検討を重ねた結果, 実用的な画像データの交換がインターネット上で可能であると判定した. これは平成10年10月の第39回日本歯科放射線学会総会において発表した. 本研究の目的は, 院内, または他の機関との画像データの授受によって得られた, 多量の画像データを効率よ...

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Published in歯科放射線 Vol. 39; no. suppl; p. 122
Main Authors 関谷恵子, 内藤康雄, 神野和子, 森下一夫, 金田隆, 小澤薫
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本歯科放射線学会 1999
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ISSN0389-9705

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Summary:目的:我々はインターネットを利用した, 画像データの授受に関して検討を重ねてきた. 現在, 学生教育の補助となるべき放射線学教室のホームページを作成し学内向けに公開している. その利用率の検討については, 平成9年10月の第38回日本歯科放射線学会総会において研究経過を発表した. さらに我々は特定の開業医との画像データの授受について検討を重ねた結果, 実用的な画像データの交換がインターネット上で可能であると判定した. これは平成10年10月の第39回日本歯科放射線学会総会において発表した. 本研究の目的は, 院内, または他の機関との画像データの授受によって得られた, 多量の画像データを効率よくファイリングしていくことである. それによって症例の分類, 検索スピードを上げ, 院内の要求はもとより, 外部診療所からの問い合わせにも, スムーズな対応ができるようにすることであり, ネットワークの負荷を抑えていくことを検討するものである. 方法:画像入力装置としてはフィルム・スキャナーを用い, 種々のデジタル画像データとしてパソコン内に取り込む. この時点で, 画像データは, JPEG圧縮を施す. この画像データはネットワークを介してデータの蓄積に使用するパソコンに転送する. これらの画像データは外部診療所からのメールに添付された画像データも含んでいる. 症例の分類に付随してカルテ番号, フィルム番号, 氏名, 年齢, 性別といったテキストデータをINDEXとし, 検索条件に応答性の高いシステムとする. 一連のグループの画像データに対してINDEXを付随させて, 可逆圧縮を施しパソコンのハードディスクに保管する. データベースシステムは, 検索スピードの高速化を図るため, 可能な限り小さく軽いシステムを目指し, 新たに開発した. 結果:初期の画像データのJPEG圧縮は低圧縮率で行ない, 圧縮比率は22%程度であった. その後, INDEXを付随させた画像データを可逆圧縮したが, テキストデータに関しては10%程度に圧縮されたが, JPEG圧縮された画像データは95%程度で, 効果が認められなかった. そこで, データベース検索の画像としてサムネイル画像を作成し, 必要なものを大きく表示し, その後再び検索モードに移行できるようなシステムを作成した. 結論:自験例によりインターネットを利用して画像ファイリングシステムの構築が可能であることが示唆された. パソコンレベルでの画像管理システムの運用, 実用化に向けて現在, 画像データベースを継続的に作り上げている状況である. 今後, 多方面からのアクセスに対して画像データを供給できるようにしていきたいと思っている.
ISSN:0389-9705