MRI顎関節専用コイルの試作

目的:近年顎関節のMR検査は装置の普及と共に急速に普及し, ルーチンな画像診査になりつつある. しかしながら, 顎関節は非常に小さく解剖学的にも多彩な組織で構成されているため, 良好なMR画像を得ることが困難な事がある. 本研究の目的は顎関節の画像を向上させるため, 新たな専用コイルを試作し, 従来のTMJ専用コイルとの比較検討を行うことである. 対象および方法:使用したMRIは0.5Tの超伝導型磁石装置(FLEXART, 東芝メディカル社)であり, 撮像法はプロトン密度強調像を用いた. また使用コイルは, 本研究のために試作した直径3cmの表面コイル(以下3cmコイルとする)と顎関節用表面コ...

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Published in歯科放射線 Vol. 39; no. suppl; p. 71
Main Authors 山城光明, 加藤尊巳, 金田隆, 南学
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本歯科放射線学会 1999
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ISSN0389-9705

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Summary:目的:近年顎関節のMR検査は装置の普及と共に急速に普及し, ルーチンな画像診査になりつつある. しかしながら, 顎関節は非常に小さく解剖学的にも多彩な組織で構成されているため, 良好なMR画像を得ることが困難な事がある. 本研究の目的は顎関節の画像を向上させるため, 新たな専用コイルを試作し, 従来のTMJ専用コイルとの比較検討を行うことである. 対象および方法:使用したMRIは0.5Tの超伝導型磁石装置(FLEXART, 東芝メディカル社)であり, 撮像法はプロトン密度強調像を用いた. また使用コイルは, 本研究のために試作した直径3cmの表面コイル(以下3cmコイルとする)と顎関節用表面コイル(直径約5cm)を用いた. また比較のためにMRアンギオコイルも用いた. 画像評価はPVAファントームを用いてMRIを撮像し, それぞれのコイルに対して, 表面からの距離に対するS/N比を計測した. 結果:1. 3cmコイルは表面から約5cmまで顎関節用表面コイルよりS/N比が大きかった. 2. MRアンギオコイルは, 表面から約2cm以上では顎関節用表面コイルよりS/N比が大きく, 表面から約3cm以上では3cmコイルよりS/N比が大きかった. 結論:以上の結果よりファントーム実験においては3cmコイルは顎関節用表面コイルよりS/N比が大きいことが示唆された. 今後はコイルのサイズおよびMRIの撮像条件を変化させることにより, S/N比の良好な画像を得ることが可能であると示唆された.
ISSN:0389-9705