歯科用ディジタル画像診断システムの解像度

〔目的〕歯科用ディジタルX線画像診断システムは各社から発売され臨床使用が盛んになってきている. その性能に関しても特性曲線やコントラスト特性, 画像の視覚的評価など各種の検討がなされてきている. しかしながら, その解像度に関する検討は少ない. 一方, 口内法においては微少なう蝕の検出やリーマー尖端の位置の同定などはコントラストのみならず画像システムの解像度に大きく影響される. そこで我々は各歯科用ディジタル画像診断システムの解像度の相違を明らかにする目的で, その解像度の指標の一つであるMTFを用いて比較検討を行った. 〔方法〕1. 歯科用ディジタル画像診断システム 今回比較した歯科用ディジ...

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Published in歯科放射線 Vol. 37; no. suppl; p. 128
Main Authors 荒木和之, 遠藤敦, 原田康雄, 池田昌平, 兵働玲子, 岡野友宏
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本歯科放射線学会 1997
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ISSN0389-9705

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Summary:〔目的〕歯科用ディジタルX線画像診断システムは各社から発売され臨床使用が盛んになってきている. その性能に関しても特性曲線やコントラスト特性, 画像の視覚的評価など各種の検討がなされてきている. しかしながら, その解像度に関する検討は少ない. 一方, 口内法においては微少なう蝕の検出やリーマー尖端の位置の同定などはコントラストのみならず画像システムの解像度に大きく影響される. そこで我々は各歯科用ディジタル画像診断システムの解像度の相違を明らかにする目的で, その解像度の指標の一つであるMTFを用いて比較検討を行った. 〔方法〕1. 歯科用ディジタル画像診断システム 今回比較した歯科用ディジタル画像診断システムはCDR(Schick Technologies), Digora(Soredex Orion), COMPURAY(ヨシダ), dixel(MCR-1000, モリタ)の4種を用いた. 2. MTF測定用ファントーム及び撮影条件 MTFの測定用ファントームは幅10μm長さ32mmのスリットを中央にもつヘビアロイ製の特性ファントームを用いた. 照射装置はCDR, Digora, COMPURAYにはHI-EMIX 90(東京エミックッス), dixelにはMAX-FMにMAX-Fldのタイマー(モリタ)を組み合わせて用いた. HI-EMIX 90は管電圧60kVpで使用し, 実効焦点は0.8mm×0.8mm総濾過は2.2mmALであった. MAX-FMは管電圧60kVp, 実効焦点0.8mm×0.8mm総濾過1.5mmALであった. スリットは検出器の長辺あるいは短辺に10°傾けて撮影した. 3. LSFおよびMTFの測定 スリットを撮影した画像はTIFF形式で保存し, Image PC(Scion)で画像の測定を行った. スリットを傾けて撮影した際の基準辺に直角にラインプロファイルを測定し, これをLSFとした. この場合, 各ピクセルの中央にスリットが来る場合から半ピクセルずれたところまでさまざまなLSFが求められた. これらからFujitaらの方法に準じて合成LSFを求めた. この合成LSFからフーリエ変換によりMTFを求めた. 〔結果〕MTFで比較するとCCDタイプのCDR, COMPURAY, dixelは高周波数領域でも比較的良好な結果であったが, Digoraはこれら3種よりやや劣った. ただし, これが臨床的に意義があるかについてはこれからの検討課題である.
ISSN:0389-9705