アクリルアタッチメント照射筒を用いた舌癌電子線治療に関する研究
〔目的〕 電子線治療における舌の口腔内照射筒療法では最大開咬位の状態で舌を鉗子などで挟み固定することが多い. しかし, 照射部位によっては空気層の介在によって口蓋や咽頭部の深部まで照射されてしまう場合があり, また, 鉗子で舌を挟むための苦痛を患者が訴える場合も多い. そこで, 金属製照射筒の先端にアクリル製アタッチメントを付けたアクリルアタッチメント照射筒を用いることで患者の苦痛を軽減し舌の固定を容易にするとともに線量分布をコントロールできないか検討した. 〔材料および方法〕 装置;ベータトロン BT-20 電子線 4MeV~20MeV(島津), 線量計;500型ラドコン・2500/3型アイ...
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Published in | 歯科放射線 Vol. 37; no. suppl; p. 40 |
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Main Authors | , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本歯科放射線学会
1997
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Summary: | 〔目的〕 電子線治療における舌の口腔内照射筒療法では最大開咬位の状態で舌を鉗子などで挟み固定することが多い. しかし, 照射部位によっては空気層の介在によって口蓋や咽頭部の深部まで照射されてしまう場合があり, また, 鉗子で舌を挟むための苦痛を患者が訴える場合も多い. そこで, 金属製照射筒の先端にアクリル製アタッチメントを付けたアクリルアタッチメント照射筒を用いることで患者の苦痛を軽減し舌の固定を容易にするとともに線量分布をコントロールできないか検討した. 〔材料および方法〕 装置;ベータトロン BT-20 電子線 4MeV~20MeV(島津), 線量計;500型ラドコン・2500/3型アイオネックス, チェンバー;0.6cc JARP形・0.055cc 電子線シャロー形, 濃度計;コニカデンシトメータ PDS-15・等濃度記録装置 PDI-10, 自動現像機;フィリップス 810, フィルム;コダック X-OMATV, 材料;MIX-DP・アクリル板・アルギン酸塩印象材 舌専用アクリルアタッチメントは舌を挿入して固定できるよう先端傾斜角45度を基本に舌接触面を溝状の曲面にし, 舌を上下に包み込む形態にした. そして, 基部(鈍角側)が厚いもの, 先端(鋭角側)が厚いものおよび傾斜面中央部が厚いものの3種類のアタッチメントを作製した. 舌および口腔内の印象採得を行い, それをもとにMIX-DPでファントームを作製し, 矢状断および横断面のファントーム・照射筒中心部の線量分布をフィルム法で求めた. 〔結果〕 舌専用アクリルアタッチメントは舌を溝に滑らせるように挿入すると上下に包み込まれるようになるため無理なく患者自身で患部の密着固定が可能となった. また, 材質が透明なため術者側でも位置づけの確認が容易にできた. 線量分布は, 基部を厚くした場合はエネルギーを大きくしても全体に広がらず鋭角的に舌根部の深い範囲に照射され, 先端を厚くした場合は舌尖部に, 中央部を厚くした場合は舌体部に多く照射され, 舌専用アクリルアタッチメントによって線量分布をコントロールできた. |
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ISSN: | 0389-9705 |