上顎洞内における石灰化物様画像の検討

(目的) 上顎洞疾患において, 時としてX線画像上に石灰化物様X線不透過像が認められることがあるが, 本邦においても, 上顎洞炎, 術後性上顎嚢胞に石灰化物様X線不透過像が認められるとの報告がある. 今回我々は, 上顎洞領域のCT画像を対象として, その他の上顎洞病変である嚢胞, 腫瘍に対しても上顎洞内に, 石灰化物様High Density Massの存在が明らかな症例について検索を行い検討を加えた. (対象および方法) 患者は1992年から1995年までに上顎洞疾患により本学付属歯科病院を受診し, 放射線部において上顎洞領域のCT撮影を施行したもので, 上顎洞内に病変が認められた画像を検索...

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Published in歯科放射線 Vol. 36; no. suppl; p. 117
Main Authors 森下一夫, 神野和子, 内藤康雄, 関直美, 関谷恵子, 池島厚, 鈴木宏巳
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本歯科放射線学会 1996
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ISSN0389-9705

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Summary:(目的) 上顎洞疾患において, 時としてX線画像上に石灰化物様X線不透過像が認められることがあるが, 本邦においても, 上顎洞炎, 術後性上顎嚢胞に石灰化物様X線不透過像が認められるとの報告がある. 今回我々は, 上顎洞領域のCT画像を対象として, その他の上顎洞病変である嚢胞, 腫瘍に対しても上顎洞内に, 石灰化物様High Density Massの存在が明らかな症例について検索を行い検討を加えた. (対象および方法) 患者は1992年から1995年までに上顎洞疾患により本学付属歯科病院を受診し, 放射線部において上顎洞領域のCT撮影を施行したもので, 上顎洞内に病変が認められた画像を検索対象とした. CT撮影装置は横河メディカルシステムCT Vertex3000を用いた. 検索は, 記録媒体から画像データーを呼びだし, CT Vertex3000付属のモニター上でウインドーレベル, ウインドー幅を変化させながら行った. (結果) 上顎洞病変としてCTの検査対象となった症例は, 上顎洞炎および術後性上顎嚢胞が多数を占めていた. 臨床的に上顎洞炎と診断された症例のCT画像上でうち約4%に石灰化様High Density Massが認められた. また, 術後性上顎嚢胞においては, 約6%にHigh Density Massが認められた. また, 上顎洞に石灰化様像を呈する他の疾患についても検討を行ったので報告する.
ISSN:0389-9705