アニリン C6H5NH2 CAS No. 62-53-3 許容濃度1 ppm (3.8 mg/m3) (皮) 発がん性分類第2群B, 感作性分類皮膚第1群, 生殖毒性分類第2群
「発がん物質分類変更の提案理由」日本産業衛生学会では1988年にアニリンの提案理由書において許容濃度を設定した. 発がん分類については, 設定はされていない. その後, 膀胱がんに関する疫学及び症例報告やメカニズムに関する報告が公表されており, 国際がん研究機関(IARC)は2020年にグループ3から2Aに変更していることから, 発がん分類, 及び, 許容濃度について検討をした. 「1. IARCの発がん分類変更の理由」IARCモノグラフの第127巻では, 2019年に変更したPreambleに基づいてアニリンの発がん性分類をグループ3から2Aへと変更している. つまり, 疫学または動物実験か...
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Published in | 産業衛生学雑誌 Vol. 66; no. 5; pp. 242 - 247 |
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Main Author | |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本産業衛生学会
20.09.2024
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ISSN | 1341-0725 |
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Summary: | 「発がん物質分類変更の提案理由」日本産業衛生学会では1988年にアニリンの提案理由書において許容濃度を設定した. 発がん分類については, 設定はされていない. その後, 膀胱がんに関する疫学及び症例報告やメカニズムに関する報告が公表されており, 国際がん研究機関(IARC)は2020年にグループ3から2Aに変更していることから, 発がん分類, 及び, 許容濃度について検討をした. 「1. IARCの発がん分類変更の理由」IARCモノグラフの第127巻では, 2019年に変更したPreambleに基づいてアニリンの発がん性分類をグループ3から2Aへと変更している. つまり, 疫学または動物実験からの強い証拠が新たに増加したことによってではなく, 4-アミノビフェニル, 2-ナフチルアミン, o-トルイジン等のヒトに対して発がん性があるとされている芳香族アミンとアニリンの構造, DNA反応性代謝物の生成過程, 及び, DNAとの反応部位, 遺伝毒性, 動物実験での発がんの標的臓器が類似している点(Mechanistic evidence: strong (a) mechanistic class)から分類を変更している. |
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ISSN: | 1341-0725 |