多層カーボンナノチューブ C [CAS No.308068-56-6] 許容濃度 吸入性粉じん0.010mg/m3 (無機炭素として) 生殖毒性分類 第3群

カーボンナノチューブは, 炭素によって構成されている六員環ネットワークを丸めて円筒状にした同軸管状の物質で, 1層(単層)のものを単層カーボンナノチューブ(SWCNT), 多層のものを多層カーボンナノチューブ(MWCNT)がある. ここでは, 単層カーボンナノチューブは, 生体影響に関するデータが少ないため本対象から除外する. 許容濃度と生殖毒性分類の対象となるのは, 同軸管の径が1-100nmの範囲にある多層カーボンナノチューブである. 「1. 物理化学的性質・用途」 カーボンナノチューブは, 常温にて固体であり, 粒子として挙動する. 高電流密度耐性, 高熱伝導特性, 高機械強度など様々な...

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Published in産業衛生学雑誌 Vol. 65; no. 5; pp. 307 - 314
Main Author 日本産業衛生学会 許容濃度等に関する委員会
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本産業衛生学会 20.09.2023
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ISSN1341-0725

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Summary:カーボンナノチューブは, 炭素によって構成されている六員環ネットワークを丸めて円筒状にした同軸管状の物質で, 1層(単層)のものを単層カーボンナノチューブ(SWCNT), 多層のものを多層カーボンナノチューブ(MWCNT)がある. ここでは, 単層カーボンナノチューブは, 生体影響に関するデータが少ないため本対象から除外する. 許容濃度と生殖毒性分類の対象となるのは, 同軸管の径が1-100nmの範囲にある多層カーボンナノチューブである. 「1. 物理化学的性質・用途」 カーボンナノチューブは, 常温にて固体であり, 粒子として挙動する. 高電流密度耐性, 高熱伝導特性, 高機械強度など様々な優れた特性を有しており, 将来的には半導体, 燃料電池, 光学機器など様々な用途に使用されることが期待されている. 「2. 体内動態(吸収, 代謝, 分布蓄積, 排泄)」 作業環境・作業状況から考えて, 労働者は主に経気道的に曝露される.
ISSN:1341-0725