27. 大気中短鎖塩素化パラフィンの数値シミュレーション

大気輸送モデルを用いて大気中短鎖塩素化パラフィン(SCCPs)の数値シミュレーションを行うとともに, 関西4地点において大気中濃度の測定を行い, 両者の結果を比較することにより, 排出源の推定を行った. 対象期間は2011年1月から3月である. 日本, 中国, 韓国におけるSCCPs排出の大きさと国内分布は経済統計などから推定し, それぞれ1.1, 14,402, 14t/yrとなった. これをモデルに与えた結果, 関西における大気中濃度の実測値には, 測定地点による明瞭な差は見られず, 常に数ng/m3程度の値を維持するという特徴があり, モデルはこの特徴を再現できていた. 国内からの排出の...

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Published in産業衛生学雑誌 Vol. 54; no. 1; p. 57
Main Authors 新添多聞, 原田浩二, 人見敏明, 石川裕彦, 小泉昭夫
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本産業衛生学会 2012
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ISSN1341-0725

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Summary:大気輸送モデルを用いて大気中短鎖塩素化パラフィン(SCCPs)の数値シミュレーションを行うとともに, 関西4地点において大気中濃度の測定を行い, 両者の結果を比較することにより, 排出源の推定を行った. 対象期間は2011年1月から3月である. 日本, 中国, 韓国におけるSCCPs排出の大きさと国内分布は経済統計などから推定し, それぞれ1.1, 14,402, 14t/yrとなった. これをモデルに与えた結果, 関西における大気中濃度の実測値には, 測定地点による明瞭な差は見られず, 常に数ng/m3程度の値を維持するという特徴があり, モデルはこの特徴を再現できていた. 国内からの排出のみをモデルに与えた場合は, この特徴とはかけ離れた結果となる. このことから, 我が国の大気中SCCPsのほとんどが中国から流入している可能性が示唆された.
ISSN:1341-0725