24. 一般住民を対象にしたカドミウム負荷調査に際しての既往症歴の評価

「目的」尿中Cdと尿細管障害指標(α1-MG, β2-MG, NAG)に及ぼす各種疾患既往症歴の影響について検討した. 「方法」非喫煙成人女性13,309例を解析対象とした. 既往症の記述のない10,703例を対照集団として, 各疾患例の3倍例を年齢(5歳)層別化無作為抽出してその疾患群に対する対照群とした. 「結果」既往症事例として糖尿病, 高血圧, 肝疾患(各400-500例)等を得た. 高血圧群では, Cd・α1-MG・β2-MGのいずれについても相対的な上昇を認めた. 糖尿病群ではCd・β2-MGには変化が無いが, NAGに上昇を認めた. 肝疾患群の場合には, 4指標いずれにも変化を認...

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Published in産業衛生学雑誌 Vol. 54; no. 1; p. 56
Main Authors 池田正之, 森口次郎, 櫻木園子, 大橋史子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本産業衛生学会 2012
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Summary:「目的」尿中Cdと尿細管障害指標(α1-MG, β2-MG, NAG)に及ぼす各種疾患既往症歴の影響について検討した. 「方法」非喫煙成人女性13,309例を解析対象とした. 既往症の記述のない10,703例を対照集団として, 各疾患例の3倍例を年齢(5歳)層別化無作為抽出してその疾患群に対する対照群とした. 「結果」既往症事例として糖尿病, 高血圧, 肝疾患(各400-500例)等を得た. 高血圧群では, Cd・α1-MG・β2-MGのいずれについても相対的な上昇を認めた. 糖尿病群ではCd・β2-MGには変化が無いが, NAGに上昇を認めた. 肝疾患群の場合には, 4指標いずれにも変化を認めなかった. 「結論」既往症の種類によっては, Cd, α1-MG, β2-MG, NAGの上昇を認めた. その変化の幅は健康影響判断に影響を及ぼすほどではないが, なおCd検診に際しては既往症歴に留意する必要がある.
ISSN:1341-0725
1349-533X