17. 介護作業における作業評価と介助者の筋力との関係

車椅子からベッドへの移乗介助(スライド板使用)について, 患者側, 介助者側それぞれの評価と介助者の筋力との関係を異なる3方法で検討した. 18人の介助者役がそれぞれ(1)素手(ハンド), (2)把手付き介助板使用(ムーブ), (3)把手付き患者ベルト使用(ベルト)の各条件で1名の患者役を介助した. 患者役の安心感(7段階)を従属変数, 介助者の筋力(握力, 背筋力, 腕力, 脚力)を独立変数として順序回帰分析を実施した結果, (1)ハンドと(2)ムーブについて, それぞれ脚力が高いほど安心感も高いという有意な関係が認められた. 同様に, 介助者の作業方法選好順位と筋力についての分析結果から,...

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Published in産業衛生学雑誌 Vol. 54; no. 1; p. 49
Main Authors 蛭田秀一, 島岡みどり, 安藤祥子, 小野雄一郎, 飯田忠行, 堀文子, 巽あさみ, 今枝敏彦, 山田宏, 服部洋兒
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本産業衛生学会 2012
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ISSN1341-0725

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Summary:車椅子からベッドへの移乗介助(スライド板使用)について, 患者側, 介助者側それぞれの評価と介助者の筋力との関係を異なる3方法で検討した. 18人の介助者役がそれぞれ(1)素手(ハンド), (2)把手付き介助板使用(ムーブ), (3)把手付き患者ベルト使用(ベルト)の各条件で1名の患者役を介助した. 患者役の安心感(7段階)を従属変数, 介助者の筋力(握力, 背筋力, 腕力, 脚力)を独立変数として順序回帰分析を実施した結果, (1)ハンドと(2)ムーブについて, それぞれ脚力が高いほど安心感も高いという有意な関係が認められた. 同様に, 介助者の作業方法選好順位と筋力についての分析結果から, 腕力が高いほど(2)ムーブについての選好順位が上位であるとの関係が示された. 一方, 介助者の選好度と患者安心感が必ずしも一致しなかったことから, 介助方法を選択・導入する際には, 患者側への配慮と同時に, 介助者の体力差も考慮すべきであると考えられた.
ISSN:1341-0725