6. 環境中の微量元素による小児の情動・認知行動への影響
環境中の有害物質による妊娠中ばく露は, 出生後の小児の情動・認知行動へ影響することが懸念されている. 本研究では胎児・小児期おける微量元素, 特に有害微量元素の情動・認知行動に対する影響を疫学的に調査することを目的とした. 対象は2009年~2010年に小学校就学前検診のため受診会場に来場した幼児ならびに小学校在校中の生徒で, 保護者により調査の承諾の得られた者とした. 児童と保護者の属性, 行動ならびに発達状況に関する調査票, 乳歯(自然脱落時)および毛髪を郵送により回収した. 2010年11月までに511例(調査票配布数の約4%), 乳歯検体460例, 毛髪検体504例が回収された. 入力...
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Published in | 産業衛生学雑誌 Vol. 53; no. 2; p. 65 |
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Main Authors | , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本産業衛生学会
2011
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ISSN | 1341-0725 |
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Summary: | 環境中の有害物質による妊娠中ばく露は, 出生後の小児の情動・認知行動へ影響することが懸念されている. 本研究では胎児・小児期おける微量元素, 特に有害微量元素の情動・認知行動に対する影響を疫学的に調査することを目的とした. 対象は2009年~2010年に小学校就学前検診のため受診会場に来場した幼児ならびに小学校在校中の生徒で, 保護者により調査の承諾の得られた者とした. 児童と保護者の属性, 行動ならびに発達状況に関する調査票, 乳歯(自然脱落時)および毛髪を郵送により回収した. 2010年11月までに511例(調査票配布数の約4%), 乳歯検体460例, 毛髪検体504例が回収された. 入力済みの調査票436例中, 広汎性発達障害が疑われる児童には出生順位第1子が多く, 母親は妊娠中に鉄剤以外の何らかの服薬有りの割合が多かったが, 後者はリコールバイアスの可能性も否定できない. また, 現在までに分析した対象者の毛髪中微量元素の測定結果も報告する. |
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ISSN: | 1341-0725 |