5. 工業用ナノ粒子の有害性評価のための陰性対照物質の検討―二酸化チタンナノ粒子気管内注入試験による血液, BALF所見
【目的】キャラクタライズされた中位径25nmの二酸化チタンナノ粒子の気管内注入試験による生体影響を検討し, 陰性対照物質としての特性を有するか検証する. 【方法】二酸化チタン(0.1mg, 0.2mg)をWister系雄性ラットへ単回気管内注入した. コントロール群には分散剤である蒸留水を注入した. 各タイムコース(3日, 1週間, 1ヶ月, 3ヶ月, 6ヶ月)毎に解剖を実施した. 心臓採血により血液を採取後, 血液中の白血球数および好中球数(PMN)を測定した. さらにラットの右肺から気管支肺胞洗浄液(BALF)を50ml回収し, 総細胞数および好中球数を測定した. 陽性対照群である酸化ニッ...
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Published in | 産業衛生学雑誌 Vol. 52; no. 4; pp. 196 - 197 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本産業衛生学会
2010
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ISSN | 1341-0725 |
Cover
Summary: | 【目的】キャラクタライズされた中位径25nmの二酸化チタンナノ粒子の気管内注入試験による生体影響を検討し, 陰性対照物質としての特性を有するか検証する. 【方法】二酸化チタン(0.1mg, 0.2mg)をWister系雄性ラットへ単回気管内注入した. コントロール群には分散剤である蒸留水を注入した. 各タイムコース(3日, 1週間, 1ヶ月, 3ヶ月, 6ヶ月)毎に解剖を実施した. 心臓採血により血液を採取後, 血液中の白血球数および好中球数(PMN)を測定した. さらにラットの右肺から気管支肺胞洗浄液(BALF)を50ml回収し, 総細胞数および好中球数を測定した. 陽性対照群である酸化ニッケル群(0.2mg)との比較も行った. 【結果】血液, BALFともにすべてのタイムコースにおいて, 総細胞数, 好中球数は, コントロール群と比べ有意差は認めなかった. 【まとめ】酸化ニッケル群では低用量でも上昇したのに対し, 二酸化チタンは有意差を認めなかった. コントロール群同様炎症を引き起こさず, 陰性対照物質としての性質を有する可能性が示唆された. |
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ISSN: | 1341-0725 |