2. 「脳疲労」のチェック&ケアシステムの開発 ―メタボリック症候群とうつ対策のために

「脳疲労」を解消することによって五感異常が正常化し(食)行動が変容し, たとえば過食や嗜好異常が正常化することから, 肥満, 糖尿病などの生活習慣病の改善, あるいはうつ状態の軽減に効果を上げていることは, これまで本学会で報告してきた. またその効果は「脳疲労」の程度と関係しており, 軽症者では脳疲労解消法(BOOCS:脳指向型自己ケアシステム)を実行しやすく短期間で効果が得られるが, 重症者では医師との連携を取りながら行わないとBOOCSの実行は困難で, 時間もかかることが分かっている. 今問題になっている生活習慣病対策を考えるうえで, 簡単に「脳疲労」診断ができ, 「脳疲労」状態に応じた...

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Published in産業衛生学雑誌 Vol. 52; no. 4; p. 196
Main Authors 若菜智香子, 斉藤和之, 福光ミチ子, 平原輝和, 増本寛, 藤野武彦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本産業衛生学会 2010
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ISSN1341-0725

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Summary:「脳疲労」を解消することによって五感異常が正常化し(食)行動が変容し, たとえば過食や嗜好異常が正常化することから, 肥満, 糖尿病などの生活習慣病の改善, あるいはうつ状態の軽減に効果を上げていることは, これまで本学会で報告してきた. またその効果は「脳疲労」の程度と関係しており, 軽症者では脳疲労解消法(BOOCS:脳指向型自己ケアシステム)を実行しやすく短期間で効果が得られるが, 重症者では医師との連携を取りながら行わないとBOOCSの実行は困難で, 時間もかかることが分かっている. 今問題になっている生活習慣病対策を考えるうえで, 簡単に「脳疲労」診断ができ, 「脳疲労」状態に応じた指導を行うことができれば, かなりの効果を上げることが期待できる. そこで我々はこの「脳疲労」診断を導入しやすくするとともに, その具体的なBOOCS実行システムを考案したので紹介する. なおこの診断結果は世界的に用いられているPOMS(気分スケール)との関連についても検討した.
ISSN:1341-0725