職場における健康保持増進の推進と作業者の健康状態

対象者の平均年齢が41歳である集団1,229人を継続して, 健康保持増進するには, 循環器疾患の発症予防が第一義的であり, 危険因子を抱える者への保健指導と自己啓発が重要となる. 1987年から14年間にわたる産業保健活動の取り組みは, 従業者全員への多層スタリーニング検査の継続(脂質検査の精度管理を含む), 危険因子を1つ以上抱え, 運動可能と判断された者の抽出, 運動プログラム提示と介入が含まれる. HDLコレステロール平均値が高い水準で, 総コレステロールの上昇率よりも高い割合で推移している. 一方耐糖能障害・糖尿病としてフォローの必要な者が, 45, 61人と最近3年間で漸増し, 有病...

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Published in産業衛生学雑誌 Vol. 43; no. 6; p. 219
Main Authors 青野裕士, 深堀勝, 斎藤功, 池辺淑子, 牧野芳大
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本産業衛生学会 2001
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Summary:対象者の平均年齢が41歳である集団1,229人を継続して, 健康保持増進するには, 循環器疾患の発症予防が第一義的であり, 危険因子を抱える者への保健指導と自己啓発が重要となる. 1987年から14年間にわたる産業保健活動の取り組みは, 従業者全員への多層スタリーニング検査の継続(脂質検査の精度管理を含む), 危険因子を1つ以上抱え, 運動可能と判断された者の抽出, 運動プログラム提示と介入が含まれる. HDLコレステロール平均値が高い水準で, 総コレステロールの上昇率よりも高い割合で推移している. 一方耐糖能障害・糖尿病としてフォローの必要な者が, 45, 61人と最近3年間で漸増し, 有病率4.5%となったが, 74%が継続して追跡され, 耐糖能障害の23.5%, 糖尿病の2.6%で改善が見られている. 多品種少量生産が求められ, 関連企業との協力がより綿密になることが必要で, 出向した作業者を含めこれら企業の作業者も同じレベルでの健康管理ができるかが今後問われている.
ISSN:1341-0725