マウス耳介厚計測による有機溶剤の皮膚刺激の評価
マウス耳介厚計測法により産業用に多く用いられている8種の有機溶剤での皮膚刺激性の評価を行った. 塗布後6時間後では芳香族のtoluene, m-xyleneはethanolに比較して有為に耳介厚の腫脹がみられ, 塩素化脂肪族炭化水素のtrichloroethylene, 1,1,1-trichloroetbane, 直鎖脂肪族炭化水素のn-hexaneもethanolに比較して有為に耳介厚の腫脹がみられた. 一方, ケトン類のmethyl ethyl ketoneはethanolに比較して耳介厚の腫脹がみられたものの, 前述の有機溶剤に比較して軽度であり, acetoneはethanolに比較...
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Published in | 産業衛生学雑誌 Vol. 42; no. 1; p. 43 |
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Main Authors | , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本産業衛生学会
2000
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ISSN | 1341-0725 |
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Summary: | マウス耳介厚計測法により産業用に多く用いられている8種の有機溶剤での皮膚刺激性の評価を行った. 塗布後6時間後では芳香族のtoluene, m-xyleneはethanolに比較して有為に耳介厚の腫脹がみられ, 塩素化脂肪族炭化水素のtrichloroethylene, 1,1,1-trichloroetbane, 直鎖脂肪族炭化水素のn-hexaneもethanolに比較して有為に耳介厚の腫脹がみられた. 一方, ケトン類のmethyl ethyl ketoneはethanolに比較して耳介厚の腫脹がみられたものの, 前述の有機溶剤に比較して軽度であり, acetoneはethanolに比較して耳介厚の差はみられなかった. ケトン類やアルコール類など, 水酸基, ケトン基を持ち, 強い極性と高い誘電率を持った極性溶剤は非極性溶剤に比較して皮膚の炎症が生じにくく, 刺激性が少ないことが判明した. (J Occup Health 2000; 42:44-46) |
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ISSN: | 1341-0725 |