尿の濃淡の補正に関する検討

尿の濃淡の補正を行ううえでの知見を得るため健常な男子1名について, 汗ばまない冬季に(1)水・もち摂取. (2)スポーツ飲料・もち摂取. (3)通常飲食, 夏季に(4)汗ばむ, スポーツ飲料・バナナ摂取. (5)汗滴る, スポーツ飲料・バナナ摂取の各条件下で尿比重とクレアチニンの相関関係を調査した. クレアチニンの時間当りの排泄量は尿の濃淡に関わらず一定であるが, 尿比重関係の主成分である電解質〔Na〕は, 過剰に摂取されると〔Na〕の尿中への排泄が促進され, 逆に〔Na〕が排尿あるいは発汗により不足すると〔Na〕が尿細管あるいは導管部で再吸収される体の調節機能より時間当りの排泄量が変化する....

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Published in産業衛生学雑誌 Vol. 40; no. 2; pp. 52 - 53
Main Authors 村田和弘, 廣瀬隆穂, 木村真次
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本産業衛生学会 1998
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ISSN1341-0725

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Summary:尿の濃淡の補正を行ううえでの知見を得るため健常な男子1名について, 汗ばまない冬季に(1)水・もち摂取. (2)スポーツ飲料・もち摂取. (3)通常飲食, 夏季に(4)汗ばむ, スポーツ飲料・バナナ摂取. (5)汗滴る, スポーツ飲料・バナナ摂取の各条件下で尿比重とクレアチニンの相関関係を調査した. クレアチニンの時間当りの排泄量は尿の濃淡に関わらず一定であるが, 尿比重関係の主成分である電解質〔Na〕は, 過剰に摂取されると〔Na〕の尿中への排泄が促進され, 逆に〔Na〕が排尿あるいは発汗により不足すると〔Na〕が尿細管あるいは導管部で再吸収される体の調節機能より時間当りの排泄量が変化する. このため尿比重とクレアチニンの関係は直線的な比例関係とはならずに指数関数的な関係となり, 尿の濃淡の補正時, 比重法とクレアチニン法は物質によって使い分ける必要がある.
ISSN:1341-0725