東北地方出身者におけるN-アセチルトランスフェラーゼ遺伝子型の分布

N-アセチルトランスフェラーゼを支配する対立遺伝子には4種類(遺伝子1.2.3.4)が知られ, これらの組み合わせにより, アセチル化の速い・遅い・中間型の多型が存在する. 今回, 我々は, 血液中のDNAを用いたPCR法により, 東北地方と他の地方出身のボランティア, 各々20名と25名(合計45名)のN-アセチルトランスフェラーゼ遺伝子型の分布を比較した結果, 遺伝子1~4の対立遺伝子の頻度分布が両者で有意に異なることを明らかにした. この理由として, 遺伝子2の頻度の違いが最も大きかった. また, カフェイン含有飲料の摂取と遺伝子型との関連を調べた結果, 遺伝子1を多く持つ者ほど, 毎日...

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Published in産業衛生学雑誌 Vol. 39; no. 4; p. 175
Main Authors 塚田三香子, 和田安彦, 茂木隆, 小泉昭夫
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本産業衛生学会 1997
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ISSN1341-0725

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Summary:N-アセチルトランスフェラーゼを支配する対立遺伝子には4種類(遺伝子1.2.3.4)が知られ, これらの組み合わせにより, アセチル化の速い・遅い・中間型の多型が存在する. 今回, 我々は, 血液中のDNAを用いたPCR法により, 東北地方と他の地方出身のボランティア, 各々20名と25名(合計45名)のN-アセチルトランスフェラーゼ遺伝子型の分布を比較した結果, 遺伝子1~4の対立遺伝子の頻度分布が両者で有意に異なることを明らかにした. この理由として, 遺伝子2の頻度の違いが最も大きかった. また, カフェイン含有飲料の摂取と遺伝子型との関連を調べた結果, 遺伝子1を多く持つ者ほど, 毎日コーヒーを飲む確率が有意に高かった. しかし, これにより, アセチル化の遅いものを感度よく検出する程には信頼性が高くなかった. (J Occup Health 1997;39:244-245)
ISSN:1341-0725