喫煙が運動習慣のある者の有酸素的運動能力および呼吸機能にどのような影響をおよぼすか

[目的] 前回の調査で30歳の男性1,968名に対し, 自転車エルゴメーターテストおよび呼吸機能測定を行った. 結果, 運動習慣のある者は, 喫煙者の呼吸機能は低下していなかったが最大酸素摂取量が非喫煙者や前喫煙者より低く, 喫煙は有酸素的運動能力のトレーナビリティーを低下させるのではないかという知見を得た. 更に, 運動習慣のない者の中では喫煙者の最大酸素摂取量の低下は見られなかったが, 呼吸機能には有意な低下が見られた. しかし, これらの知見はあくまでも喫煙年数が約10年程度の者で得た結果に基づくもので, 更に喫煙年数が増えた場合に, 同様の結論が得られるのかは疑問であった. 従って,...

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Published in産業衛生学雑誌 Vol. 38; no. 1; pp. 42 - 43
Main Authors 本間久子, 土屋真苗, 宮川寛, 山田隆一, 田村静夫
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本産業衛生学会 1996
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Summary:[目的] 前回の調査で30歳の男性1,968名に対し, 自転車エルゴメーターテストおよび呼吸機能測定を行った. 結果, 運動習慣のある者は, 喫煙者の呼吸機能は低下していなかったが最大酸素摂取量が非喫煙者や前喫煙者より低く, 喫煙は有酸素的運動能力のトレーナビリティーを低下させるのではないかという知見を得た. 更に, 運動習慣のない者の中では喫煙者の最大酸素摂取量の低下は見られなかったが, 呼吸機能には有意な低下が見られた. しかし, これらの知見はあくまでも喫煙年数が約10年程度の者で得た結果に基づくもので, 更に喫煙年数が増えた場合に, 同様の結論が得られるのかは疑問であった. 従って, 本研究の目的は喫煙年数の更に多い35歳および40歳の者を同様調査し, 比較検討した. [方法] 東京都内のNTTおよびその関連会社の男性社員の健診データから, 自転車エルゴメーターによる最大酸素摂取量測定(間接法), 呼吸機能検査, および喫煙と運動習慣の問診等のデータのそろっている者の解析を行った.
ISSN:1341-0725