6. EBUS-TBNAが診断に有用であった子宮頸癌肺転移の1例

症例は36歳, 女性. 2010年1月, 子宮頸癌Ib1(T1b1N0M0)にて広汎子宮全摘術を施行. 4月の胸部CTにて両肺に多発する空洞性陰影を認めた. 画像上の鑑別診断として, 子宮頸癌の肺転移が考えられたが, 急速に出現したこと, 子宮頸癌の病期が早期であったことから, 感染症との鑑別が問題になり当科に組織診断の目的で紹介となった. 肺野の陰影については関与する気管支が同定できなかったが, 右上葉の径1.5cm大の結節が気管に接して存在したため, コンベックス型超音波気管支鏡で観察したところ腫瘍を明瞭に確認できたため, 同部にてTBNAを行った. 組織診断は扁平上皮癌であり子宮頸癌手術...

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Published in気管支学 Vol. 33; no. 1; pp. 64 - 65
Main Authors 橋本泉, 今井直幸, 犬飼朗博, 岩木舞, 下方智也, 森瀬昌宏, 小川知美, 山下良, 田中一大, 橋本直純, 佐藤光夫, 近藤征史, 今泉和良, 長谷川好規
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本呼吸器内視鏡学会 2011
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Summary:症例は36歳, 女性. 2010年1月, 子宮頸癌Ib1(T1b1N0M0)にて広汎子宮全摘術を施行. 4月の胸部CTにて両肺に多発する空洞性陰影を認めた. 画像上の鑑別診断として, 子宮頸癌の肺転移が考えられたが, 急速に出現したこと, 子宮頸癌の病期が早期であったことから, 感染症との鑑別が問題になり当科に組織診断の目的で紹介となった. 肺野の陰影については関与する気管支が同定できなかったが, 右上葉の径1.5cm大の結節が気管に接して存在したため, コンベックス型超音波気管支鏡で観察したところ腫瘍を明瞭に確認できたため, 同部にてTBNAを行った. 組織診断は扁平上皮癌であり子宮頸癌手術検体とも一致し子宮頸癌肺転移と確定診断できた. 肺内の病変に対しても存在部位によってはEBUS-TBNAは極めて有効な診断手段となり得る.
ISSN:0287-2137