14. Pleomorphic carcinomaの1剖検例

症例は66歳男性. 半年持続する咳と血痰を認め近医受診. 胸部X線写真, CTにて右中葉の異常陰影を指摘され, 肺癌を疑われ当院紹介受診. TBLBでは, 肉腫様の大型異型細胞を認める一方, 間質成分への分化は認めず, 免疫染色ではEMA陽性, CK7陽性, vimentin陰性であり, sarcomatoid carcinomaと診断した. 病期は, cT4N2M0, stage IIIbと診断した. PS2, 腫瘍熱の持続が見られており, 放射線単独療法を60Gy施行. 治療効果はPRであった. その後, 右頸部リンパ節転移が見られ, CTにて対側肺内転移も見られたが, PS3と悪化してお...

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Published in気管支学 Vol. 32; no. 1; p. 94
Main Authors 中村俊文, 三角祐生, 藤井知紀, 檜田直也, 岡本浩明, 渡辺古志郎, 吉田幸子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本呼吸器内視鏡学会 2010
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Summary:症例は66歳男性. 半年持続する咳と血痰を認め近医受診. 胸部X線写真, CTにて右中葉の異常陰影を指摘され, 肺癌を疑われ当院紹介受診. TBLBでは, 肉腫様の大型異型細胞を認める一方, 間質成分への分化は認めず, 免疫染色ではEMA陽性, CK7陽性, vimentin陰性であり, sarcomatoid carcinomaと診断した. 病期は, cT4N2M0, stage IIIbと診断した. PS2, 腫瘍熱の持続が見られており, 放射線単独療法を60Gy施行. 治療効果はPRであった. その後, 右頸部リンパ節転移が見られ, CTにて対側肺内転移も見られたが, PS3と悪化しており緩和治療の方針となった. 腫瘍増大に伴い呼吸困難が出現し, 呼吸不全のため全経過3カ月で死亡した. 病理解剖の結果, pleomorphic carcinomaと診断し, 肺癌の中で約1%とまれなタイプの腫瘍であった. 文献的考察を加え, 報告する.
ISSN:0287-2137