3.安定期気管支喘息患者のカプサイシン咳感受性に対するprostaglandinI2誘導体経口投与の影響

【目的】咳嗽は主要な呼吸器症状の1つであるが, その発生機序の詳細は明らかではない. ProstaglandinE2は気道拡張作用を持つ一方で咳感受性を亢進することが知られている. ProstaglandinI2もまた気道拡張作用を持つが咳感受性に対する作用は不明であるため, カプサイシン咳感受性に対するprostaglandinI2投与の影響について検討した. 【対象と方法】安定期気管支喘息患者21名(54~83歳;平均73. 2歳)を対象とした. 既報の方法によりカプサイシン咳閾値を測定した後に, prostaglandinI2 analogueであるberaprostl20μg/日または...

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Published in気管支学 Vol. 26; no. 1; p. 98
Main Authors 石浦嘉久, 阿保未来, 中村裕行, 藤村政樹, 織部芳隆, 明茂治
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本呼吸器内視鏡学会 2004
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Summary:【目的】咳嗽は主要な呼吸器症状の1つであるが, その発生機序の詳細は明らかではない. ProstaglandinE2は気道拡張作用を持つ一方で咳感受性を亢進することが知られている. ProstaglandinI2もまた気道拡張作用を持つが咳感受性に対する作用は不明であるため, カプサイシン咳感受性に対するprostaglandinI2投与の影響について検討した. 【対象と方法】安定期気管支喘息患者21名(54~83歳;平均73. 2歳)を対象とした. 既報の方法によりカプサイシン咳閾値を測定した後に, prostaglandinI2 analogueであるberaprostl20μg/日または対照薬を2週間cross-over法で投与した. 【結果】beraprost投与により気管支喘息患者の呼吸機能は変化しなかったが, カプサイシン咳閾値は有意に低下した. 【考察】気管支喘息患者の気道において, prostaglandinI2は咳受容体感受性を亢進させる方向に作用することが示唆された.
ISSN:0287-2137