経ロステロイド治療により軽快したブロンコレアの1例

症例は46歳, 女性. 2001年5月中旬の感冒様症状(発熱, 咽頭痛)を機に咳漱が出現し7月上旬からは漿液性の喀痰を伴うようになり7月10日当科を受診. 咳喘息を考え吸入ステロイド薬(フルチカゾン800μg/日)による治療を開始するも改善がなく, 9月には1日喀痰量が100ml/日を超えるようになり, 患者は不安不眠を訴えた. ブロンコレアの病態を呈しており10月9日当科に入院した. 1日喀痰量は180ml/日であり, あきらかな呼吸器疾患やアレルギー性疾患の合併は認めなかった. 気管支鏡による気管支粘膜生検では, 炎症細胞や気管支線の増生はみられなかった. 経口プレドニゾロン(PSL)40...

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Published in気管支学 Vol. 24; no. 5; p. 415
Main Authors 藤坂志帆, 河岸由紀男, 小田寛文, 三輪敏郎, 藤田聡, 林龍二, 松井祥子, 菓子井達彦, 丸山宗治, 小林正, 水落利栄子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本気管支学会 2002
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Summary:症例は46歳, 女性. 2001年5月中旬の感冒様症状(発熱, 咽頭痛)を機に咳漱が出現し7月上旬からは漿液性の喀痰を伴うようになり7月10日当科を受診. 咳喘息を考え吸入ステロイド薬(フルチカゾン800μg/日)による治療を開始するも改善がなく, 9月には1日喀痰量が100ml/日を超えるようになり, 患者は不安不眠を訴えた. ブロンコレアの病態を呈しており10月9日当科に入院した. 1日喀痰量は180ml/日であり, あきらかな呼吸器疾患やアレルギー性疾患の合併は認めなかった. 気管支鏡による気管支粘膜生検では, 炎症細胞や気管支線の増生はみられなかった. 経口プレドニゾロン(PSL)40mg/日を投与開始したところ喀痰量は著明に減少し, 12月8日の退院時には喀痰量は5ml/日に減少し, PSL10mg/日まで減量できた. 退院後も経過は良好でPSL中止後も喀痰の増加はなかった.
ISSN:0287-2137