食道内ステント術を行った食道狭窄または気管食道瘻合併の肺癌症例

内視鏡的食道内ステント術は, 主に悪性腫瘍による食道病変を合併した患者のQOLを改善する目的で行われる. 肺癌による食道病変に対する食道内ステント留置症例は食道癌患者と比べて報告は稀である. 【目的】食道内ステント術を行った食道病変合併の肺癌症例について検討した. 【対象と方法】最近6年間に食道内ステント術を行った肺癌症例8例を対象にした. 【結果】ステント挿入後退院できた症例は8例中4例. 食事可能期間は平均35. 8日で, 一時的な改善例も含めてほとんどの症例で食事再開可能だった. 症例は8例中7例死亡で, ステント挿入後の平均生存期間は2. 4ヵ月だった. 7例中3例は死因にステント挿入...

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Published in気管支学 Vol. 24; no. 5; p. 414
Main Authors 丹呉益夫, 田中純太, 塚田裕子, 秋山修宏, 横山晶, 太田玉紀
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本気管支学会 2002
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ISSN0287-2137

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Summary:内視鏡的食道内ステント術は, 主に悪性腫瘍による食道病変を合併した患者のQOLを改善する目的で行われる. 肺癌による食道病変に対する食道内ステント留置症例は食道癌患者と比べて報告は稀である. 【目的】食道内ステント術を行った食道病変合併の肺癌症例について検討した. 【対象と方法】最近6年間に食道内ステント術を行った肺癌症例8例を対象にした. 【結果】ステント挿入後退院できた症例は8例中4例. 食事可能期間は平均35. 8日で, 一時的な改善例も含めてほとんどの症例で食事再開可能だった. 症例は8例中7例死亡で, ステント挿入後の平均生存期間は2. 4ヵ月だった. 7例中3例は死因にステント挿入が関与したと考えられた. 【結論】内視鏡的食道内ステント術は食道病変を伴う終末期の肺癌患者のQOLを改善する一方, 致命的な合併症を起こす可能性もあり, 十分なインフォームドコンセントのもとに行うことが必要と考えられた.
ISSN:0287-2137